ネット国会/政党政治

 ツイッターで僕は時々「ネット国会」を作ったら面白いんじゃないか、ということを言っていました。
 ネット国会というのは文字通りネット上に作る国会のことです。そこには基本的に全ての国民がアクセス可能であり、直接民主制に近い形式で政治が行われます。

 選挙前後にマニフェストマッチというサイトができるのをご存知でしょうか?そこには各政党のマニフェストから要旨が抜き出されています。アイデアがどこの党から出たものかを伏せたまま、「経済」「教育」「外交」等のジャンルごとに方針が書かれています。

「経済政策;
 A党案。。。。。。。。。
 B党案。。。。。。。。。
 C党案。。。。。。。。。
 ・・・・・」

「教育;
 A党案。。。。。。。。。
 B党案。。。。。。。。。
 C党案。。。。。。。。。
 ・・・・・」

 といったように。
 もちろん、経済政策の中のA党と教育のA党が同じ党だとは限りません。
 このサイトを使う人は各ジャンルでA党とか、B党とか、C党とか、どこの党の意見が一番いいかを選ぶ。
 すると、一番最後に「あなたの考え方は○○党に一番近いです。民主党との意見一致率は何%、自民党とは何%、みんなの党とは何%、公明党とは・・・・・・」という感じで結果が出て来ます。そこで、このサイトを利用した人は、なるほど自分の考えは○○党に一番近いのか、じゃあ○○党に投票しよう、となるわけです。

 僕も前回の選挙でこのマニフェストマッチを試してみました。
 そして何とも奇妙な気分に襲われました。

 僕が得た結果は、もっとも一致率の高い党であってもせいぜい60パーセント程度で、他にも50パーセント、40パーセントと、半分程度の意見一致率を持つ党はいくつもありました。

 さて、この60パーセント一致した政党に僕が票を投じるというのは、なんだか変ではないでしょうか?

 ここで少し視点を変えてみます。
 このマニフェストマッチというサイトの目的を「党選び」ではなく、「各ジャンルにおける国民の意見を聞く」に変更すると、どういうことがおきるでしょうか。つまり、最終的な「あなたの意見はこの党に一番近いですよ」というのを外して、代わりに各ジャンルごとにみんながどの意見を一番支持したかを集計するのです。「教育に関する政策ではA案がもっとも支持された。外交に関してはC案が。。。。」という風に。
 そして、このもっとも支持の多かった政策を実行することにします。
 この方が、党を選ぶよりもダイレクトに国民の声を反映しているような気がします。

 僕は政治に疎いので、政党の存在理由というものが全く分かりません。
 どうして、「政策」ではなく「党という政策のセット」でしか選ぶことができないのでしょうか。

 このマニフェストマッチを進化させた、ネット上でもっとダイレクトに政策を議論したり選択したりするシステムがあればいいなと思っています。  

一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル
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講談社


思想地図β vol.2 震災以後
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合同会社コンテクチュアズ