2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

映画紹介:『サイタマノラッパー』入江悠

”朝晩吐き出す吐瀉物 が真っ赤に染まれば俺もお陀仏” (『DJ TKD 辞世のラップ』(伝説のタケダ先輩)より) 言葉というものからずっと遠くへ行きたいと、ずっと思っていた。 言葉は泥臭くて青臭くて、嘘臭くて胡散臭くて、意味はロマンを剥ぎ取るようで、紡ぐ…

書評:『心の専門家はいらない』小沢牧子

「心の専門家」はいらない (新書y)小沢牧子洋泉社 前回再録して紹介した小沢健二さんの『企業的な社会、セラピー的な社会』を読んだ後に、小沢牧子さんの『こころの専門家はいらない』も読んでいて、その感想文も書いていたと思ったのですが、それはツイッタ…

書評:『企業的な社会、セラピー的な社会』小沢健二

2009年に掲載していたものの再録です _____________________ 昨日書いたように、小沢健二の「企業的な社会、セラピー的な社会」を買ったので、眠る前に読んでみました。面白かったです。 冒頭の文章をネットで見つけたので貼り付け…

書評:『逃げる中高年、欲望のない若者たち』村上龍

逃げる中高年、欲望のない若者たちベストセラーズ 以下は2010年に載せていたものですが再録します ___________________________ 村上龍さんの新しいエッセイが出たと @tatsu9393 さんのツイートで知りました。研究室からの帰…

書評:『弱いロボット』岡田美智男

弱いロボット (シリーズ ケアをひらく)岡田美智男医学書院 『弱いロボット』というタイトルを店頭で見て、最初に僕が連想したのは、現行ロボットの未熟さというようなものでした。 産業用ロボットのように、何かに特化したロボットの中には凄まじい高性能を…

書評:『私の個人主義』夏目漱石

「どんな犠牲を払っても、ああここだという掘当てるところまで行ったらよろしかろうと思うのです」 夏目漱石がこんなダイレクトな物言いをしているのを、僕はこれまで知りませんでした。 『私の個人主義』というのは、漱石の講演を書き起こしたもので、冒頭…

書評:『犬はどこから…そしてここへ』畑正憲

犬はどこから…そしてここへ畑正憲学習研究社 僕の大好きなムツゴロウさんの一番新しい本です。 「ムツゴロウさんの本」というとキョトンとする人が結構いるけれど、ムツゴロウさんは作家で、たぶんこれまでに100冊程度は本が出ているのではないかと思いま…

書評:『あなたを天才にするスマートノート』岡田斗司夫

あなたを天才にするスマートノート岡田斗司夫文藝春秋 前回、岡田斗司夫さんの『評価経済社会』という本を紹介しました。とても見通し良くすっきりと書かれた本だったので、頭の中がまとまった賢い人なのだろうな、という印象を受け、三部作として紹介されて…

書評:『評価経済社会』岡田斗司夫

評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている岡田斗司夫ダイヤモンド社 「評価経済社会」というタイトルが目に入った時、だいたいの中身は予想できるような気がした。インターネットの普及と発展に伴い社会は「貨幣」を中心としたものから「評価」…