2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

僕達に自由意思はあるのか?

久しぶりに自由意志について書こうと思う。何度か書いたことの繰り返しになるけれど、ちょっと整理しておきたい。いつもなんとなく気にして、その実あと一歩のところで考えることをやめていた。 まず、僕達に自由意志があるのかどうかという問い。つまり、僕…

オザケン@京都会館その1。その夜ニューヨークは真っ暗だった。

だけど、僕は上を向いて天井を眺めていた。 ステージの上から緩やかなドーム状のカーブを描いているはずの真っ暗な天井を。 会場は真っ暗だ。 ステージの上にだけ、微かなスポットライトが落ちていて、その小さな光の中に彼は立っていた。彼はニューヨークで…

仏教の国へようこそ。あるいはバカボンについて。

最近知ったことだが、赤塚不二夫の天才バカボンというのはサンスクリット語のバギャボンだかなんだかから来ているらしい。そのバギャボンだかなんだかという言葉の意味は覚者、つまり悟りを開いた者であり、僕たちに馴染み深いブッダという言葉と大体は同じ…

ポメラ pomera DM20

しばらく前にポメラDM20を買いました。 ポメラというのは文章作成機能だけを持ったガジェットで、折り畳み式のキーボードに小さなモノクロの液晶が付いたものです。昔のワープロをご存知の方は、あれが少し大き目の手帳くらいになって、インクリボンを使…

銀行に集まる個人の小さな力

銀行というものが長い間好きではなかった。今も別に好きではないから、好きでは無かったという表現は控え目すぎるかもしれない。僕は何となく銀行というものが嫌いだった。たぶん、お金というのは何かと汚いものだ、というような道徳を子供の間にはそれとな…

電子書籍の自炊が変に見えて仕方ないこと

電子書籍の黎明期にあって、自宅で書籍を裁断しスキャンする人が出現している。そうしてpdf等にしたデジタルデータを電子ガジェットに入れて持ち運ぶというスタイル。こうして蔵書を電子化する一連の作業を表す「自炊」という言葉も定着しつつある。 需要が…

植物の支える世界のエントロピー

世界はどんどん豊かになる。 資本主義というのは、一定の豊かさを奪い合うゲームではなく、どうしたらみんなでより上手に豊かさを増やして行くことができるのか考える行為だ。ゼロサムじゃない。本来それはポジティブである。 「生命」というものを、仮に「…

働くことが厳しくなくても良いのではないかと思うこと

しばらく前の話だけど、「日本の労働環境、あるいは職場って変じゃない?」という話に興味を持っている人の間でちょっと有名になった書き込みがあります。 その人はある会社の事務みたいなところに就職したのですが、表計算ソフトのスキルが高かったので自分…

僕はコーヒーが飲める

新車の匂い、と名付けても良い匂いがあると思う。あの飛び回るプラスチックの分子をダイレクトにキャッチしたような匂い。父は数年前にきっぱりタバコをやめたが、僕が子供の頃、両親は共に結構なヘビースモーカーだった。 新車の匂いと、早速そこに染み着い…

記憶すること

記憶力が悪いのではないか、ということを意識し始めたのは中学生の時だ。 今もはっきりと覚えている。塾では英語の授業の最中だった。不規則変化する動詞に重要なものがいくらかあって、それらを紹介すると同時に、もうこの授業中、今みんな覚えてしまおう、…

無水トイレ

先日ツイッターで「無水トイレというのに初めて入った。きれいだった」というような事を書くと、すぐに友達から「汚かったよ」という反応が帰ってきた。聞けば場所も同じ難波だったから、たぶん同じ型式のトイレだろう。汚い、綺麗、という2つの状態があっ…

身体というイメージ

奇しくも昨日と同じような構成だ。 クラブに始まって、整体の話に続く。 僕はメトロの狭いチルスペースにいて、京大で認知科学の研究をしているという名前も知らない人と話していた。彼の研究テーマは人が行動するときに必ずする「予測」についてだった。予…

言葉による整体

彼と最初に会ったのはクラブのトイレの前だった。多分もう10年近く前のことだ。メトロの男子用トイレは便器が一つあるきりで、僕が用をたしに行ったとき、ドアの前では何人かの男達が短い列を作っていた。何の音楽が掛かっていたのか全く覚えていないし、…