西海岸旅行記2014夏(01):前書き


 この短い旅の記録をどういう軸でまとめようか、随分と考えた。アメリカと日本の対比。旅行中にシンクロしてきたスティーブン・キングの小説。個人的なアメリカに対する想い。文化の異なり強さと韓国。大量消費社会の病理。コミュニティのサイズ。社会設計とヒューマンスケール。日本で話題になっているポートランドという街について。
 「ああ、そういうことなのかもな」と旅行中に何度か、色々な切り口が頭に浮かんだ。全てを章に分けて、1つ1つ丁寧に書いていこうかとも思ったけれど、それではあまりに分析的で読み物として(あるいは書物として)面白くないものになりそうだったので、結局は時間軸に沿った旅行記を書こうと思う。

 この前書きを、僕はトランスファーの仁川国際空港で書いている。まだ朝の6時半で人はそんなにいない。ロサンゼルスから12時間飛んできて、ここで4時間待ったら、次は関西国際空港まで1時間のフライトだ。日本に帰ったら、関西国際空港から関空特急はるかで京都まで2時間弱。旅はそろそろ終わる。この旅は。人生を旅に喩えるのはあまりに陳腐だが、実際に人生は旅なので、ここではその喩えを使おう。この旅はそろそろ終わるが、僕の旅はまだまだ終わらない。今回の旅行について文章を書くことも、僕の旅の一部である。
 それでは、時間軸を過去へ遡ろう。
 今回の旅がはじまる前へ。
 旅はこれからだ。
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