山水人2007。

2007年9月8日土曜日

 昼から友達と5人で山水人へ。昼下がりに会場入り。Sちゃんの車はカーナビも付いているし、僕とM君は一昨年も来ていて2度目だし、もう手馴れたものだ。基本的には一昨年とほとんど変わっていない、もちろん規模は少し大きくなっていて、システムもきちんと確立されているように見えた。とても懐かしい。
 今年の山水人は9月1日から17日までのなんと17日間もあって、この日8日は既にイベントが始まってから一週間が経ったときだったので、テントや荷物を持って歩いていると、いかにも村にやってきた新顔のような雰囲気がする。テントサイトにはすでに沢山のテントが設営されていて、ハンモックに揺られたり人々が寛いでいた。
 メインステージからそれほど離れていないところ、川の畔に、どうにかまだ残っていた平地を見つけてそこにテントを張る。本当はYちゃんが5人用テント、僕が3人用テントを持ってきて、それぞれに3人、2人と別れて眠れば広々として快適だろう、という計画だったが、Yちゃんのテントが実は実家に置いてあった為、結局5人で3人用テント一つという有様になってしまう。まあ男子は外で寝ればいいだけのことだけれど。

 みんなお腹を空かせていたので、まずは屋台を回ってご飯を食べる。今回は屋台も店も増えていて、お店を見ることが楽しかった。
 足を骨折しているのに来ているIさんに会う。流石。一昨年と同じようにサイケなTシャツを着ていて、やっぱり時間が流れるというのは不思議なことだなと感じる。今年は公安警察が来たとのこと。去年、山水人に行ってきたTとそのような予想をしていたのでやっぱりなあ、と思う。

 夜、wild marmaladeの演奏が終わった頃降りだした雨が、予想に反して強くなったので、僕はテントが心配になり見に戻る。僕のテントはこれもまた中学生の頃から使っているもので、それも近所のホームセンター(子供の頃は近所のホームセンターと本屋が全てだった)で5000円くらいで買った安物で、考えてみればこれまであまり強い雨に降られたことがなかった。
 テントに戻り周囲に溝を掘るかどうか考えたけれど、軟らかくて水はけの良い地面だったし、水流が地面の上に存在しているというわけでもなくやめる。しばらくするとM君とSちゃんがテントに戻ってきて、壁に触れている荷物を壁から離して中に立たせて(接触しているところから水が漏れてくるからです)、雨脚が弱くなるまでテントで避難していようと、とりとめのないことを話す。そうこうするうちに入り口とは反対の壁面からじわりじわりと雨水が染み込んできた。どうやらその壁には一番強く雨が当たるようだ。
 僕達はテントの中で手早く対応策を考えた。幸いにもSちゃんがレジャーシートを一枚持っていたので、それを使ってタープを拡張することにする。シートの端に河原で拾ってきた石を入れて包み、そこに紐の代用品としてビニルテープを撒きつけて、さらにテープを長く伸ばしてテントのポールに固定する。テープをナイフで切りながら、マクガイバーの教え通りに粘着テープとナイフをいつも持ち歩いていて良かったと改めて思う。「出かけるときはスイスアーミーナイフと粘着テープを忘れずに」
 とは言うものの、作業が終盤に掛かった頃、雨が小降りになり、「後々のために最後までやってしまおう」と言って作業が終わったときには雨が上がり僕達は大笑いする。これはマクガイバーではないが、昔から人々は言う。「山の天気は変わりやすい」

 テントに3人、車に2人に別れ1時頃就寝。


2007年9月9日日曜日

 朝、僕だけ6時半くらいに起きて、特にすることもなかったので散歩をして、フリーステージのところまで言って一人インディアンテントに入って休む。ポケットに本を入れてくるのを忘れたので、ぼんやりと川や山や鳥を眺める。
 そのあと、屋台街へ行くと、早朝からスープ屋さんが開いていたので、朝ごはんを焚き火に当たりながら食べて、テントに戻っても誰も起きていないので、しばらく本を読んだ後、一人で川に行って石ナイフを作ったり、水浴びをしている人々としゃべったりする。

 工程が木の皮で紐を作る過程に入った頃、テントに戻ると蛻の殻で、しばらくテントの前の川で紐を作っていると朝ごはんを抱えたSちゃん達が戻ってきて、昼までだらだら過ごす。

 河原で喋っていると、後ろの小道から「あっちの池のところはマムシが沢山いるから気を付けろ。今朝はたっちゃんのテントにマムシが入ってた」というような会話が聞こえてくる。僕はそのしばらく前に川べりでヤマカガシを見たところだったし、少しあとに道端でシマヘビも見た。子供の頃は田舎で家の周りが田畑だった
から、蛇なんてとても身近にいたけれど、そういえば京都市内に住むようになってから蛇をあまり見なくなったなと、ぼんやり思う。

 ちなみに、結構知らない人もまだ多いので書いておきますが、ヤマカガシは毒蛇です(マムシ注意の看板は良く見るけれど、ヤマカガシにも注意するように書かれたものはなかなか見ませんよね)。2種類の毒を持っていて、奥歯から敵の体内に注入する毒と、あと口から飛ばして敵の目を潰す毒があります。奥歯からの毒は出血毒で血管や血液を破壊するものです。この毒が体に入ると体中で内出血が起こり、酷い場合は死亡します。また、目潰しの毒はヒキガエルを食べることによって溜め込んでいるという研究結果があって、この毒も攻撃されて放っておくと失明に至るケースがあります。
 このように毒性という観点からみればヤマカガシはマムシよりも怖いくらいの毒蛇ですが、性質が大人しく滅多に噛まない、噛んでも毒が入りにくいということで長い間毒蛇だと認識されていませんでした。現に僕も子供の頃は日本の本州にいる毒蛇はマムシだけだと思っていた。
 この日見たヤマカガシはまだ子供で、首に黄色い帯がくっきりしていたので分かり易かったけれど、蛇は実際にいろいろな色や模様に変化したものがいるのでちょっと種類を見分けるのが難しい場合もあるし、基本的には蛇を見たらあまり近くに行かないようにしようと思う。

 しばらく会場を出て、近所の神社を見物したり、ちょっとした喫茶店のようなところで黒米アイスを食べたりなどする。

 夕方、山水人の会場を後にして家路へ着く。
 車の中で観光地のインパクトについて話をしていると、Sちゃんが「投入堂」というのを教えてくれた。山の断崖絶壁に立つお堂だそうです。帰って調べるととても行きたくなった。
 部屋に戻ってすぐにシャワーを浴び、パスタを茹でて食べて眠る。