taxi.

 自転車で街中を走っていると、屋根の上にプロペラを付けた変な車が通っていった。そんなバカなことがあるものかと思ったけれど、その車にははっきりと「エコロタクシー」なる文字列が書かれていた。

 なんだろうと思って検索してみたら京都の会社でした。
 http://ecolo21.com/event/051205.htm

 意図があまり良く分からないのですが、はっきり言って恥ずかしいので僕なら絶対に乗りたくありません。
 というのはこのタクシーはエコでもなんでもないし、敢えて言うならアンチエコだからです。
 ホームページには「走行時の風をプロペラで受けて発電する」ということが書かれていますが、当たり前だけど、その分車体の空気抵抗が大きくなってエンジンに対する負荷も大きくなる。つまり電気はそりゃできるだろうけれど、その分ガソリンの消費も増えているということです。もしも電気が欲しいなら自動車に内臓されている発電機からそのまま電気を取った方が遥かに効率がいい。
 大袈裟な場合を考えればもっとはっきりします。タクシーの上に乗っているプロペラが直径10メートルくらいの巨大なものだったら、空気抵抗がすごくてタクシーは前に進むために随分なエンジンの力を必要としますよね。

 このタクシーのプロペラ発電がエコだといえるのはタクシーが止まっているときたまたま前から風が吹いてくるか、坂を下っているときだけだ。

 こんなことはタクシー会社のほうでも本当は承知しているはずだ。発案者が仮に気づかなかったとしても、プロペラの製作やなんかに携わったエンジニアの誰もが気づかないなんてことは有り得ない。

 それでもこんな馬鹿げたタクシーが走っているというのは、タクシー会社のほうで「ぱっと見た感じエコっぽいから、客は付くんじゃないか」という人々を馬鹿にした戦略があるせいではないかと疑わないではいられない。