像。

 五山の送り火を、大人達が少しだけ涙ぐんだ目で祈り、今はもうこの世に居なくなってしまった大切な人達のことを想う隣で、子供達はきれいだねと言ってはしゃぎ回り、鴨川はやっぱりさらさらと流れる。

 ときどき真っ暗なこの世界に、奇跡みたいな体を持って生まれた僕達はそうして何年も何年も繋いできた。
 僕達の知らないところで、僕達のことを祈ってくれている人に、どうやって感謝しようかと考える。 

 夢なのか現実なのか区別が着かない。僕が目を開けると、足元を若い男の人が横切っていった。僕はちょっとびっくりしながら、やせ我慢して手を振ってにっこりして、それからまた眠った。

 お盆は4年ぶりだとか2年ぶりだとか半年ぶりだとか、懐かしい友達に会ったり、バーベキューしたり空を見上げて流れ星を探したり、中華料理とタイ料理をお腹に詰め込んだり、強すぎる昼間の太陽と空間を塗りつぶしたみたいなセミの声にうんざりしていいのか喜べばいいのか分からないうちに過ぎていった。

 もちろん、夏というのはまだまだ終わらない。