シンセサイザー。

 9日木曜日;
 次の日に課題の締め切りがあって、研究室で貫徹。時間に追われているのに明日までに必要なものがあって、電車で一時間くらいのところまで取りに行かなきゃな、と思っていたらなんとY君がバイクで届けてくれてとても助かった。ありがとう。

 10日金曜日;
 朝、バイト先の生徒の入試応援があって、やや赤い目をしたままシャワーだけ浴びて自転車で某高校まで出向く。その後、研究室に戻って夕方までになんとか課題を仕上げる。
 ものすごく眠いけれど、ハイにもなっていて、OとIと少し話してからアパートに帰って眠る。Iは中国人なんだけど、英語が僕よりもずっとうまくて、OとIの会話にはあまりついていけない。僕は今まで何人かの中国人と知り合ったり話をしたりしたことがあるけれど、英語を上手に話す中国人ははじめてだ。
 夜はMと約束があったので、「寝てるから仕事が終わったら電話で起こして」とメールを送ってから眠る。
 10時頃にMから電話で起こされて出掛ける。

 11日土曜日;
 久し振りにAから電話があって、彼女がちょっとへんてこでシリアスな状況にあることを聞く。完全には状況が分からないのと、すこし僕とは離れた世界の話なので、自分のアドバイスにときどき自身を持てないまま話をして、結局なんと4時間近くも電話をしていた。
 夜は11時から難波のsaomaiでフリッパーズギターオールナイト。奈良からOさんもやってきて、彼女と会うのは久し振りだったので、かなり長い間、店を出て外で主にイベントやVJのことなんかを話し込む。かつてモッズとかパンクとかヒッピーとかサマー・オブ・ラブとか印象派とかキュビズムとかルネサンスとか、いろいろなものがあったけれど、そういう風にあとから呼ばれるものを作りたい。単に音楽かけて映像流してお酒飲んで踊ってっていうのは、もう何千年も人類がやってきたことだ。それはベースとしては大事だけど、でも新しいものも欲しい。
 このイベントでは僕は全然はしゃがなくて、どちらかというとDJに腹を立てていた。
 ここ一年間くらい顕著に見られるんだけど、僕はこういうのは客よりもやる方が断然好きだし、なんとなく気に食わないDJだとどんなにいい曲がかかっても踊る気にならない。
 それから、あるバンドが好きな人が集まってその音楽を掛けて踊るというのは、なんだかとても恥かしいことに見えた。こういう「このバンドが好きだ」という集まりは本人がいないと、なんとかごっこみたいになるんだなと思った。DJがイベントのTシャツをフロアに何度か投げて、僕とOさんのところには3回くらいTシャツが飛んできて、その気になれば僕らは全部とることができたけれど、別にいらないので2人とも拾わない。

 別にクラブイベントじゃなくても、ライブでも演劇でも映画でもなんでもいいけれど、なんだって当然「お客さん」よりも「作ったり演じたりする」ほうが楽しい。でも、誤解を恐れずに大袈裟な表現をすれば、演じる方がお客さんに愛情を持たないといいイベントにはならない。イベントをやってる僕らってなんかかっこいいでしょ、見て見て、では只の自己満足で、そのとき「客」という存在は「主催者の為の引き立て役」になる。僕は捻くれた性格だからか、そういうのを良く感じる。
 特に、最近ではDJブースの上からDJがDVやデジカメで会場を撮影することが多いけれど、僕はあれがとても嫌いだ。サイトにアップして後日みんなが見れるようにする、という主旨は理解できるけれど、ほとんど主催者の「僕らって昔こんなイベントして、こんなに客集めたんだ、すごいでしょ」というエゴの為に撮影が行われている気がしてしかたない。

 と基本的には敵意を持ってしまったイベントですが、シンセサイザーの素晴らしさやなんかも再認識して、色々と勉強になった。それに久し振りにOさんと話して刺激も受けた。 

 5時に始発があると思ったら、Oさんの始発は6時だったので、ロイヤルホストに入って朝御飯を食べてから帰った。
 京都に帰ってくると、思ったよりも寒さが和らいでいて、春は何気に近くにきているんだなと思った。