ドレスコード。

 昨日は昼から市役所前のフリーマーケットに出掛けた。
 バイクで御池まで向かう間は機嫌が良かったけれど、着いてからなんとなく塞ぎ込んだ気分で、せっかく友達が出店していたのにそこへは行かなかった。まれにこういう日がある。誰ともうまく話せそうにない日。

 しばらくふらふらとしていると、知らない女の子の3人組が僕の着ているものを誉めてくれて、それから本屋に立ち寄ると昔のパフォーマンスアートの本があって、それらのおかげで元気になってきた。本屋には大丸京都店でやっているイームズ展のポスターが張ってあり、僕は一人で行くことにした。

 イームズ展はとても良くできていた。
 昔天保山サントリーミュージアムであったのよりもよかったと思う。
 僕は大丸の中でちょっとやるだけだから、どうせすぐに見終わるに違いないと思って、空きっ腹を気にしながらさらっと入ったのですが、結構長い時間そこにいてふらふらになった。
 イームズのデザインは人間、あるいは家族のためのデザインであり、彼らの思想はほんとうに優しいものだった。友達が日記にイームズ展の感想を書いていて、夫婦仲睦ましいのが何よりも印象的だった、とあったけれど、どういうことを彼女が言いたかったのか良く分かったと思う。
 デザインのためのデザインがあふれかえっているなかで、僕はこの展覧会には随分大きな意味があると思う。
 イームズというのはデザイナーというか実行型の思想家なのだ。

 この日は一人で優雅になるべくくつろげるカフェに入って雑誌を読みながらしばらく過ごす、と決めていたのだけど、あまりに空腹でイームズ展のあとすぐに吉野家に入ってしまった。

 それから前から「そのうち行くよ」と言ってそのままにしていた、友人の働く某ブランド店を覗いて、それから藤井大丸によってから谷山無線のパーツコーナーにより、タワレコに行って、視聴機のヘッドホンがいい音だったのでびっくりした。
 何も今更驚くことではないのだけど、ここのところシャッフルのイヤホンばかりだったので、改めてヘッドホンの偉大さに気が付いたのだと思う。
 それで僕はシャッフルにもヘッドホンを付けようと思い、十字屋に行って楽器コーナーに行った。安物のヘッドホンなら持っているから、ついでだしDJユースのなにかにしようかと思いDJコーナーへ行くと、どこかのDJ大会のビデオが流れていて圧倒された。
 普通に音楽と音楽をうまくつながるだけでも精一杯なのに、まさしく彼らは自由自在だった。

 ヘッドホンは気にいるものがなかったので、音楽編集のソフトを見て、買わないくせに店員さんと話をして情報を仕入れる。

 河原町を歩いているとK君にすれ違った。
 Kくんはよその大学院に進学したのだけど、まだうちの大学に仕事が残っていてそれをやるために今日は京都に来たということで、なんか僕としては腑に落ちない話だった。

 バイクにまたがって帰ろうとするともう9時だった。
 お腹が空いていたので、Nさんに電話してご飯に誘うと「まあ食べたんだけど」と快諾だったので、エトワでご飯を食べた。
 Nさんにレヴィナスのことを少し教わった。