サーキットベンディングの紹介

 サーキットベンディングという言葉をご存じでしょうか?

 サーキットベンディングというのは、「電子楽器の回路をいじって面白い音が出るようにして演奏する」という遊びのことです。

 そういう風に説明すると、実にマニアックな遊びで電子回路の知識がないとできない遊びのように聞こえますが、実際は全然そうではありません。
 もちろん、電子工学の知識を駆使してサーキットベンディングに取り組む人もいますが、何の工学的知識のない素人でもハンダ付け程度のことができれば楽しくサーキットベンディングはできます。

 なぜなら別に回路設計や計算をしなくても、実験的な手法でサーキットベンドは行えるからです。(むしろそれが主流なような気がします)

 それでは簡単に方法を説明しましょう。

 �@ 改造する電子楽器がないことには始まらないので、適当な電子楽器を手に入れます。壊れても良いことが前提なので、安くて古いものが良いです。新しいものだとワンチップ入っているだけで、改造すべき回路がない可能性もあります。
   それから、改造に使う部品ですが、仮のショート回路を作る為のミノムシクリップ、適当な導線、ニッパー、ラジオペンチ、可変抵抗、スイッチ、装飾の為のLEDと抵抗、ハンダ、ハンダ小手などがあれば良いと思います。

 �A ネジやなんかを外して中を開けてみます。回路がなくてチップが一個入っているだけだったら残念ですがハズレです。もう普通の方法ではサーキットベンドできません。(追記!!! dj.p.k.g.さんからワンチップでもピッチベンドくらいはできると教えて頂きました。改めてありがとうございます!)

 �B めでたく回路が入っていて剥き出しになったら、電源を入れます。それほど電圧や電流の大きいマシンはないと思いますが、一応感電には注意しましょう。

 �C 電源が入っているので、楽器の音を鳴らすことができます。音を鳴らしてみましょう。そして、音を鳴らし続けます。

 �D 音の鳴っている状態で、回路の一部を、適当な好きなところで良いのでショートさせてみます。

 �E それで音が変わったりノイズが入ったりしたらアタリです。なんとも言えない好みの、怪しげな音になったら大当たりです。
 その場所に可変抵抗やスイッチの類を好きに付けます。

 �F 残念ながら音になんの変化もなかった場合は、また別の適当なところをショートさせてみましょう。

 �G 手順�Eと�Fを繰り返して、あとは好き放題です。万が一変なところをショートさせて壊れてしまったら残念無念。

 �H 元からあったスイッチの他にあれこれツマミやスイッチの付いた怪しげな楽器の誕生です。みんなで演奏して遊びましょう!

 youtubeやなんかで検索するとしゃべるピカチュウのオモチャを改造したものや色々な楽器での演奏が出てきますので参考になると思います。もしもよろしければ。

Make: Technology on Your Time Volume 11
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オライリージャパン


Make: Electronics ―作ってわかる電気と電子回路の基礎 *1
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*1:Make:PROJECTS