僕たちの消費電力。

 昼御飯にパンとチーズを齧りながらTEDを見ていたら、テクノロジーというのは生命の延長で、生命はエントロピーを増大させないように(あるいは緩やかに行う)自己を保つ(とうとする)システムの一つだ。という話が出てきた。例えば銀河系も一つの形と運動を保っているように見えるし、花も、人も。そしてエントロピーを増やさない為にはエネルギーを系に注入し続ける必要があるのだけど、単位体積当たりのエネルギー密度は銀河系よりも人間の方が大きいのではないか、というような話が上がった。

 特に目新しい考えでもないし、ふーんと思いながら聞いていた。でも考えてみたら、僕は人の消費するエネルギーについてあまり具体的なイメージを持っていないということに気が付いたので概算を計算してみました。

 具体的なイメージというのは、僕にとっては一番身近な電力です。多分多くの人にとってそうではないかと思う。人間が1日生きるのに何キロカロリー必要なのかというのは常識的な知識だけど、正直なところカロリーのままではあまりピンと来ない。だから、今回カロリーから電力に換算し直してみました。

 まず、1日に必要なカロリーをざっと2000kcalだとします。

 1calは4.18Jなので、僕たちは1日に
 2000000x4.18=8360000J
 消費するということです。

 1Jはそのまま1ワット秒なので、1日に8360000ワット秒の電力を消費しているということです。これを1日の長さで割って平均してやると、1日は24時間x3600秒=86400秒だから、

 8360000ワット秒÷86400秒

 面倒なので、えいやと

 ≒8000000ワット秒÷80000秒

 =100ワット

 なるほど、僕たちは大体100ワットで動いているようです。家庭用の100Vコンセントに差し込んだら1Aの電流が流れる。今僕が使っているノートパソコンは100ワットくらい。冷蔵庫もサイズや年式によるけれど大体はこれくらいだから、エネルギーの観点からだけ言えば、冷蔵庫を一つこの世に作って動作させておくと、人一人が生きる分のエネルギーを消費しているということになる。今僕たちは化石燃料原子力をメインに発電しているけれど、これがバイオ系の発電に代わって食べ物で発電ということになると、ダイレクトに誰かが生きる分のエネルギーでアイスクリームを冷したりしているような複雑な気分になるかもしれない。