レビ・ストロース死去。

 朝、身支度をしながらネットラジオでニュースを聞いていて、さあ行こうとPCにシャットダウンの指示を出した瞬間”レビ・ストロースが亡くなった”という言葉が飛び込んできて驚いた。無情にもPCはシャットダウンのプロセスを着々とこなし、おまけにwindowsのアップデートまではじまったので、僕は諦めて部屋を出た。
 研究室についてから大急ぎで調べるとニュースに出ていました。

人類学者レビストロース氏死去=構造主義の父−100歳
11月4日1時48分配信 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091104-00000013-jij-int


 実は僕はレビ・ストロースはもう死んでいると勝手に思っていて(彼の活躍した年代を考えれば妥当な思い込みだと思う)、まさか100歳まで生きているとは思っていなかったし、ニュースを聞いたとき何かの聞き間違いではないかと疑念を持っていたけれど、聞き間違いではなかった。
 そうか、この間まで彼は生きていて、そして死んでしまったのか。

 1962年『野生の思考』。
 この書物を持ってして、西洋を中心とした世界は変わった。僕達だって多大な影響を受けている。『野生の思考』でレビ・ストロースが主張したことは「未開に見える民族にも、その民族なりの文化や考え方があって、それを西洋の物差しで測って野蛮だとか下等だとか言うのはおかしい」という現代の僕らにしてみれば至極当然のことだった。それが強烈なインパクトのある思想だったわけだから、1950年代までの世界がどんなに了見の狭い、窮屈なものだったか想像に難くない。
 それをぶち壊した彼は一人のヒーローだ。