microbe and our gut.

 以前、納豆を食べるときにカラシとタレを入れて掻き混ぜると納豆菌の大虐殺が起きていることになるのではないか、ということを書きましたが、どうやら納豆菌というのはそんなに弱いものでもないようです。
 お正月に地元で友達に会って話をしていると、農業が専門の友達が「納豆菌は熱で殺菌する器械に入れてもなかなか死なない、だから実験室には納豆を食べた後に入ってはいけないことになっている」ということを言っていたのです。熱とカラシは話が違うけれど、でも酸にもアルカリにも熱にも強いならカラシくらいで簡単に死ぬとは思えません。

 実際に納豆菌は僕達の腸内で活動を続けるということです。そんなにタフな菌を腸内に取り込んで大丈夫なのだろうかと心配にもなりそうなものですが、今のところ納豆菌はどうやら体に良い働きをしているということしか知られていなくて、特に害はないようです。

 子供の頃、何かの本で「私達の大便の1/3から半分くらいは腸内細菌やその死骸です」という記述が出てきて、それはすごいと僕は人にしばらくの間言いふらして歩いていました。でもあるとき、さすがにそれは多すぎるのではないかと思い、以後ことの真相を知らないまま放ってあったのですが、さっきネットで調べてみると本当の話みたいです。
 僕達の腸内には100兆個くらいの細菌がいて、その総重量はなんと1.5キロにもなります。僕は体重50キロで、そのうちの1.5キロが腸内細菌だなんて。全身の細胞はせいぜい60兆個だと言われているのに、細菌が100兆個もいるなんて。僕達の身体を60兆の細胞と100兆の細菌が入り乱れて複雑に作用する系と見なすと、健康というものに対する考え方も随分変えざるを得ない。