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 さっき目に入ったニュースによれば深沢直人さんのインフォバーだとかネオン(auの携帯電話です)がニューヨークかどこかの美術館に収蔵されたということだけど、どうしてどの携帯電話も頭に密着させて使用するデザインなのか。

 携帯電話の本体から出ている電波が脳にダメージを与えることは重大な事実なのに、どうして誰もマイクとスピーカ部分を本体から離して使うことのできる携帯電話を考えないのか。別売りのイヤホンでまれに話している人がいるけれど、あんなの別売りじゃなくて、ああいった形式で使用するものをスタンダードにしなきゃならない。基本的に電磁波のエネルギーは距離の2乗に反比例するので、頭から離せば離すほど悪影響を小さくすることができる。しかも頭に密着させて使うと脳の誘電率と形状のせいで、脳の1部分に電磁波が集中し、その部分が多大なダメージを受ける可能性が大きい。携帯電話は頭から離して使わなくてはならない。寝るとき、目覚まし代わりに枕元に置くのも良くない。特に子供はそうだ。子供に携帯電話を与えるのなら、その親は絶対にヘッドセットを一緒に与えてそれを使って話をするように教えなくてはならない。僕たちの生活環境には電磁波が溢れている。そしてそれは目に見えないし、知識のない人にとってそれは存在していないも同然だ。それに電磁波に囲まれた生活が至って普通なものになっているので、電磁波に浸って生命体が活動するということが一体どういうことを意味しているのか知らない人が多すぎる。空き缶のリサイクルなんかを教える前に、子供には電磁波についての教育をする必要がある。テレビを近くで見てはいけないのは目が悪くなるからではなく、それがブラウン管テレビだった場合にはX線も紫外線もラジオ波もマイクロ波も超短波も、あらゆる種類の電磁波がテレビから放射されていて2メートル以内の場所に長時間いると細胞が傷つくからなのだ、というようなことを教えなくてはならない。

 携帯電話が普及するずっと以前から、電磁波が人体に与える影響というものはそれなりに研究されてきた。それで、前にも書いたけれど、電磁波が人体に悪影響を及ぼすのは明白な事実です。変な宗教だとか、神経質だとか、そういうことではなくて、火を触れば火傷するのと同じように、電磁波を浴びれば細胞が傷つく。

 もう電磁波を浴びないで生活していくことはとても困難なことだけれど、でも、面倒だからと言って目を瞑るわけにはいかない。僕達は今この世界がどうなっているのかを理解して改善しなくてはならない。今はちょうど冬で、電気カーペットや電気毛布を使っている人はたくさんいると思うけれど、電気カーペットも毛布も人体にとって有害であることが既に証明されています。どうしてあんなものが堂々と市場に出回っているのか僕には全く理解できない。低温火傷のおそれがあります、なんて、どうしてそれだけしか注意書きがしてないのか。松果体に作用してホルモンバランスを乱す上に白血病をはじめとした種々の癌を発症する確率が高くなります。それでも寒いのが嫌な人は自己責任で使用してください。みたいなことをどうして書かないのか。

 僕の実家は、僕が高校に上がる頃に引越しをして、なんと変電所の隣に移った。僕はそれがとても心配で、引っ越す前に一応親に注意したけれど、あまり真剣には取り合ってもらえなかった。僕は一応ラジオをちょっと改造しただけのお手製電磁波測定器を持って、「これで変電所の周りの電磁波を測定しに行きたい」と父親に訴え。それをもって父親の運転する車で変電所へ向かった。
 僕はまだ中学生だったと思うし、それに電磁気に関する知識も貧弱極まりないものだった。おまけに手製の電磁波測定器はうまく機能しているのかどうかもちょっと怪しい代物だった。だから、その測定結果にどれだけの真実味があるのか、今となっては怪しいものだけれど、結果はというと、僕はOKを出してしまった。これには後悔している。測定を終えて、車に戻り、そしてエンジンをかけると、僕は測定器のスイッチを切り忘れていて、それが変電所の周囲よりも強い値を出したのだ。つまり、変電所の周りには確かに電磁波があるけれど、でもそれは実は自動車の中に組み込まれたモーター類から発生するものよりも弱い。ならば、まあ大丈夫だろう。という発想だけれど、これはもう実におかしい。変電所の周りよりも車の中のほうがもっとやばいというだけのことだ。車には普段乗るから、日常に溶け込んでいて危機感を持ちにくい。だから僕は間抜けなことに、自動車内の電磁波強度をもってして「安全」だとしてしまった。

 後年、僕はとてもショックな写真を見ることになる。その写真には一人のおじさんが写っていて、彼は手に蛍光灯を持っている。蛍光灯は淡く光を放っているものの、特に電源にはつながれていない。ではどうしてその蛍光灯が光っているのかというと、そのおじさんが高圧送電線の下に立っていたからだ。送電線から放射される電磁波が蛍光灯を光らせる。これは同じようなことが簡単に実験できる。電子レンジに蛍光灯や白熱電球をいれてスイッチをオンにすれば光る(安全だったかどうか覚えていないので、実験はよく調べて行ってください)。電子レンジは水分子の共振周波数2.45GHzのマイクロ波を高出力で出しています。昔、ペットの猫を乾かそうとして電子レンジに入れてしまったという悲惨な事故がありましたが、電子レンジの中に入れば危険なことは誰にだって分かります。蓋が開くと安全装置が働いて自動的に電子レンジは止まりますが、その安全装置が壊れたら危険だということも誰にだって分かります。ところが、このドア開きっぱなしで動作する電子レンジとほとんど同じものが市場に出回っていて、テレビでもたくさんのコマーシャルを流しています。それはIH調理器で、2メートル以上離れれば大体は安全ではないかといわれていますが、当然2メートル離れたところからフライパンを操作することはできません。特に妊婦さんがIH調理器で何かの料理をするようなことは絶対にあってはならない。

 なんだか小言のような日記になってしまいましたが、でも、僕達は電磁波に晒される量が非常に多い最初の世代だ。アマゾンで鉱山から有毒物質が流れ込み、流域の人々の健康が害されている。というようなドキュメントに匹敵するような、ひょっとしたらもっとひどいことが今日本で起きている。みんなが携帯電話を持っていて、みんながパソコンを持っていて、だから大丈夫なのだろうと思いそうになるけれど、それは違う。僕達は今、地球上の生命体が経験したことのないような電磁波まみれの環境を生きていて、自分自身や大事な人を守るためにできることをしなくてはならない。