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4月13日(木);
 Mちゃんと遅いランチをとって、それから疎水沿いの桜を眺めながら歩いていると、もうほとんど皮だけになった桜の木があって、それは今にも倒れそうな木だったけれど花をたくさん咲かせていた。僕とMちゃんはその桜に吃驚して少しの間眺めていたのだけど、研究室に行ってOに話すと、彼もやっぱりその木を見つけていたようで、しばらく植物の維管束の話をした。
 夕方からMと平野神社へ花見に出掛ける。平野神社へ足を踏み入れたのはこれが初めてで、桜とその下に広がった赤い色の店々と明るい電灯で照らされた空間をとても好きだと思いました。


4月14日(金);
 夕方にWと、なんだか気取ったばかりのカフェでお茶をする。隣りの席に派手目なおばさんの集団がやってきて、なにやら会議を始めてうるさいし、連れている犬もギラギラした服を着ていて、それは世のアートの80パーセントくらいを占めている「派手にばーっとやっときゃいいだろう」というような感じの軽薄さと肥大した自我の見本のようだった。
 そのまま夜は円山公園で花見をした。物凄い人出で、僕は寒いのにも関わらずワクワクし始める。桜ではなくて、桜の下に集う人々を美しいと思う。ただの宴会ですが。日々の、テーブルの上に食べ物を載せて、それなりに食事をする、という日常を打破して、野外でいい加減な楽しい食事会を開くというのはとても煌いたことだ。

4月15日(土);
 Hのところへ寄って、随分と前に借りた服を返して、それから心斎橋へ行ってMさんと夜御飯を食べた。雨降りの寒い土曜日で、ならば暖かい心地良い店から窓の外の雨を眺めればいい、と思っていたのですが、何も考えないで地下の店に入ってしまいました。でも、おいしくてとても良い店だった。
 まれに、前のアルバイト先の生徒とばったり会ったりすることがあるのですが、今日は昼にこの春から高校生になった男子生徒とばったり会いました。高校の制服を着ているだけで、初々しいけれど急に大人びたように見えた。春というのは如何にもやって来るものです。