カラテキッド。

 先日9日、寝不足のまま、部屋で簡単なご飯会をしました。
 僕の部屋は6畳1間なのですが、予定をオーバーして10人になってしまったので狭苦しくて、スイカを食べた後に手を洗うときは一人が手を洗うごとに、全員が部屋のなかでローテーションするという有様でした。
 早めに切り上げて、全体としてコンパクトにまとまったものになって、とても楽しかった。
 持ち寄りにしたのですが、作ってきてもらった料理やお菓子がとてもきちんとしていて、僕は適当にパスタを茹でただけなので頭が下がる思いだった。

 古いアパートの部屋の中に10人の人間が入ると、もしかして床が抜けやしないかと一瞬思う。
 ときどき、本の重みで床が抜けたりだとかいう話もあるし、床は抜けることもあるのだ。

 子供の頃、僕は床が抜けるということが信じられなかった。
 床と言うのは絶対的に物を支える、という固定概念があった。

 他にもたくさんの固定概念を子供の頃は持っていた。
 銃弾は無限に飛ぶし、どんなに分厚い鉄板も射抜くし、空手の蹴りはきちんとマスターすればなんでも破壊する威力を持つし、テレビで流れることは全部本当だし、活字になっているものも全部本当のことだと思っていた。

 もちろん、そんなわけはない。
 物事には限度というものがある。

 今もきっとたくさんの固定概念を持っているのだろうけれど、そういうものから早く自由になりたいなと思う。