Jacta alea est.

 お盆が過ぎてすこし涼しくなりました。
 地面はセミの死骸だらけで、すこしだけ生きたり死んだりすることについて考えます。

 確率のことを考えて頭が混乱した経験はないでしょうか。
 たとえば、サイコロを振って1が出る確率は本当に1/6でしょうか。

 なにが言いたいのかと確率の定義のことです。

「1から6までの目が同じようにでるなら、そのサイコロを振ってある数が出る確率は1/6である」

 というのはほぼ自明であるかのように扱われています。でもこれはもしかしたら馬鹿みたいな話かもしれないわけです。なぜなら、「1から6までの目が同じように出る」ということは「1から6までの目の出る確率がそれぞれ同じである」ならということだからです。

 つまり、
「1から6までの目が同じ確率で出るのであれば、そのサイコロを振ってある数が出る確率は1/6である」
 ということです。

 サイコロの話だと具体的すぎてかえって分かりにくいかもしれないので一般化すると
「同じ確率で起こる事象がn個あるとき、その中のある事象が起こる確率は1/nである」
 ということです。
 確率を使って確率を定義しているのでトートロジーのようにしか見えません。

 現代物理は量子論統計力学も使うので、確率とは切っても切れない繋がりがあるのですが、確率というのは実に悩ましいものだと思う。