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カロリーメイトアンバサダーミーティング;コピー:ロゴ。

 こういったカロリーメイト専用のホルダーも作っているし、こういうエントリーも書いているし、周囲の人にはときどきカロリーメイトの話をするので、僕がカロリーメイトを好むことを知っている人は知っていると思います。最近カロリーメイトアンバサダーになり、先日「カロリーメイトアンバサダーミーティング」という集まりに行ってきました。なんだその集まりはと思われると思いますが、それもそのはずで記念すべき第一回目のミーティングでした。
 その時の話を中心に、カロリーメイトのことを書きたいと思います。

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 話はミーティングの少し前から始まる。
 ちょっと前に、友達が口に軽い怪我をした。「食事で口を開ける度に傷が開いてなかなか治らない」と言うので、「じゃあカロリーメイトのゼリーみたいので1日か2日過ごしたら」と僕は提案した。別にカロリーメイトでなくても、他のゼリーでも何でもいいと思っていたので、そういうことも付け加えた。
 彼女が実際に買ったのはカロリーメイトで、「さすが大塚製薬」と彼女は数日後に報告してくれた。


「ゼリーでご飯済ませるなんてこれまで考えたこともなかったから、お店でそういうゼリー全部比較してみたの、成分表示読んで、そしたらカロリーメイトだけ200kcal入ってて他のはカロリー少なかった」

 僕はそんなことは全然知らなくて、大体みんな同じようなものだろうと思っていたのだが、たしかに確認してみると少ないものはカロリーが100kcal程度だったりする。さらにカロリーメイト以外の製品では栄養素がどれかしか入っていない、カロリーを摂りたいならこれ、ビタミンを摂りたいならこれ、ミネラルを摂りたいならこれ、という風に別れている。もちろんビタミンだけが欲しいという人だっているのだろうから、選択肢はたくさんあっていいのだろうけれど、値段はだいたいみんな同じだし、機能面からしてカロリーメイト以外のものを買う理由は見当たらないような気がした。
 カロリーメイトが好きだと言っても、僕が好きなのは基本的にはブロックタイプのパッケージデザインに限定されていたので、それまでゼリータイプにはほとんど関心がなかった。でもこのとき、そうかこういうゼリーにも確かにこだわりが存在して、なんだかんだ言っても大塚製薬は気を使った製品を作っているのだなと思った。
 
 それから数日後に参加したカロリーメイトアンバサダーミーティングは、メインテーマがこのゼリータイプのものだった。
 ゼリータイプの開発者の方から直接話を聞いたり、味を整えたりする前の、いわば素の状態のゼリーを試食させてもらったりという機会を頂いた。ゼリータイプの開発には5年も掛かったということで吃驚する。
 「5大栄養素を全部入れて、味を整えて、長期保存できるようにする」のはとても難しいという話で、一見「ビタミン剤とか香料とか適当に混ぜるだけじゃないの」と思ってしまうのだが、実際に作るとなると水分があって邪魔な化学反応も進んでしまうだろうし想像の100倍は大変なのだろう。他社の製品が特定の栄養素しか入れていないというのは、5大栄養素を全部入れることの難しさを暗に示しているのかもしれない。5年間の開発期間と費用を投入するというのは並のことではないし、この辺りはサイエンスを重んじる製薬会社がきちんと仕事をやり遂げたという感じがする。

 このゼリータイプについて、コピーを考える感じのグループワークもあった。
 短い時間のうちに納得のいくものはできなかったけれど、僕は言葉が好きだし、こういうのは楽しい。
 「バランス栄養食、カロリーメイト。」というフレーズは、既にほとんど完璧で、このフレーズと製品が生み出すイメージを壊さずに新しい要素を加えることは至難の技だ。
 このフレーズが持つイメージは、「単純にフレーズそのもの(と製品の合計)で作られたイメージ」と「経年変化を経て発酵し生まれたイメージ」の大きく2つのレイヤーに分解されると思う。
 
 1つ目のフレーズそのものに関しては、ソリッドでクールな”サイエンスで生み出した”という感じのイメージだと言うことができると思う。このフレーズを構成している4つの単語のうち「バランス」「栄養食」「カロリー」の3つはサイエンティフィックで温度がない。最後の「メイト」が軽やかに柔らかさを添えているだけだ。このクールさはブロックタイプのパッケージデザインにもよく表れている。BALANCED FOOD CALORIE MATE BLOCKというロゴの下にびっしりと小さな文字で表記された栄養素と原材料名。多くの商品でパッケージデザインと広告の区別がつかなくなった昨今では殊更クールだ。破裂型の吹き出しを使って「五大栄養素全部入り!!!」みたいなことは間違ってもカロリーメイトのパッケージに書かれることがない。
 
 2つ目の経年変化はロングセラー商品が必然的に背負ってしまうものだ。
 僕は「バランス栄養食、カロリーメイト。」というフレーズがいつから使われているのかはっきりとは知らないのだけど、たぶん最初からだと思う。どうしてかというと、BALANCED FOOD CALORIE MATE BLOCKというロゴはBALANCED FOODの部分を取ってしまうと成立しないからだ。(ここの話は全くの憶測なので色々間違いなど教えて頂けますと幸いです。。。)

 このロゴに入っている BLOCKは消したり、あるいはJELLYなどに差し替えても大丈夫で、実際にそのように使われている。たとえばアンバサダーミーティングではお土産に大量のカロリーメイトと一緒にしおりを貰った。しおりにはロゴが付いていて、カロリーメイトという商品群を表すためにBLOCKの部分に何も書かれていない。BALANCED FOOD の部分は残っている。
 BALANCED FOODの部分とBLOCKの部分では決定的な違いがある。 BLOCKは消してしまってもCALORIE MATEのCとMの文字が下に長く伸びているのでロゴ全体の高さは変わらない。BALANCED FOODは消してしまうと全体の高さが低くなってしまうので、ロゴの縦横比を壊してしまう。縦横比を壊してしまうのはまずいし、さらに突っ込んだ憶測をすると4本入りブロックタイプのパッケージではロゴ部分の高さと成分表示部分の高さが黄金比になっているのではないかと思う。たとえ黄金比でなくてもここのプロポーションだって変わったら困る。
 だから多分、製品のロゴができた最初の最初からBALANCED FOOD、ひいてはバランス栄養食という言葉が使われていのではないかと思う。そして、発売開始当時にはソリッドでクールだったこの言葉も、1983年の発売から約30年という時を経てレトロフューチャーに近いイメージを纏うこととなった。ここには信頼感と若干の的外れ感の2つがミックスされている。信頼感は問題ないが、的外れ感はより沢山の人に訴求するという意味合いでは欠点だし、ここはコピーや広告が補うべき部分かもしれない。たとえば、最近のカロリーメイトのコピー「とどけ、熱量。」は短くクリアカットで若々しい言葉使いで、信頼感を保ったまま30年の時を一気に飛び越え、新鮮かつ力強い文脈で当初のソリッドでクールなイメージを蘇らせることに成功している。
 
 ただ、もちろんコピーや広告だけでは付け焼き刃にもなり兼ねないし、商品そのものでもトランス脂肪酸やオーガニックということを気にする時代に合わせて改良する必要があるとも思う。
 ミーティングの最中、「そういえばカロリーメイトが発売された時、これはお菓子かご飯か論争があった」という話を聞いた。
 これは取りも直さず、食べ物に関しての全く新しいジャンルを開拓したということを意味している。それは素敵なワクワクすることだったけれど、30年が経過してすっかりとカロリーメイト的なジャンルは定着し、さらに時代は変わった。食事には自然で安全であることが求められるようになった。大塚製薬の企業理念は「Otsuka-people creating new products for better health worldwide」で、会社のサイトには「隅から隅まで創造性」とも書かれているので、そろそろ更に革新的な改良があるといいなと思う。