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台湾旅行記1:台北巨蛋(台北ドーム)

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 もう季節が変わってしまったけれど、4月に1週間ほど台湾へ行っていた。成田から桃園国際空港へ飛んで、バスで台北まで行き、そのあと新幹線を含めた電車で台南、高雄と移動して、高雄国際空港から成田へ戻ってきた。
 訪ねてみる前から、台湾というのは、すでにとても身近な国だった。台湾人の友達も何人かいて話もそれなりには聞いていた。日本と台湾の間にある重たい歴史のことも少しは知っているつもりだった。
 実際の台湾は、僕が思っていたよりもずっと日本との関係が深く、そしてずっと素敵なところだった。
 旅の全容は既に記憶からどんどんと溢れていて、断片的に印象に残っていることを書いていきたい。

 

 台北は現代的な大都会で、眺めているだけで楽しい商業施設もたくさんある。南国の雰囲気と先進都市が理想に近い調和を生み出している。ただ、台北で最も驚いたのは突然現れた巨大な廃墟を目にしたときだ。
 僕達は、華山1914文創園区のFabCafe Taipeiなどを訪ねた後、今度は松山文創園区へ向かっていた。ちなみに華山1914文創園区は酒工場跡地をリノベーションして作られた「文化的な」施設で、松山文創園区はタバコ工場の跡地をリノベーションして作られた同様の施設だ。リノベはどこもかしこもアートとか文化とかそういった類のものになるので詰まらない気もするけれど、まあ豊かさとはそういうものなのかもしれない。どちらも今風にきれいにできている。この辺りのトレンドは日本と完全に同じだった。
 通りを歩いていると、突然ビルの影に巨大な廃墟のようなものが見えた。通りといっても、街外れの寂しい道路ではなく都会の中のストリートで、その廃墟は特別場違いに見えた。

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 廃墟ではなく、建造中の何かなのかとも思ったが、誰も作業をしている人はいなかった。一見、何も動いていない。そして鉄骨の材はすでに錆び付いている。これは一体なんだ? どうしてこんな街の真ん中にこういった巨大な廃墟があるんだと思って調べてみると、どうやらこれは「台北ドーム」と呼ばれるものらしいと分かった。20年ほど前から計画されていた台湾初の室内ドーム球場で、2016年の4月、つまり僕が訪ねているまさにこの時が完成予定だった。工事は2013年に着工して、2015年に頓挫している。頓挫というのは、正確には台北市から停止命令が出ていて、その原因は工事の杜撰さということだ。図面と施工が違う、建築基準法違反、周辺での地盤沈下や地下鉄トンネルの歪みなど。ドーム反対派のでっち上げだという話もあるようで、蚊帳の外からでは何が本当かは分からない。それにしても随分と大きな廃墟を台北市は抱え込んだことになる。

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 台北ドームの建造には日本の大林組も関わっているとどこかの記事には書かれていて、そういえば僕はこの廃墟を目にする直前、「大林組」と描かれた工事看板を見つけて「あっ、大林だ」と写真を1枚撮っていた。関係ないのかもしれないけれど。

 

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 このドームは2017年のユニバーシアード会場にもなる予定だった。

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 これから、このドームはどうなってしまうのだろうか。何かに利用するのはとても難しそうなので、きっと取り壊しになるのだろう。それにも莫大な費用が掛かる。
 完成することのなかったこの廃墟は、街角に重たい痕跡をめり込ませながら、それでも景色としては松山文創園区に溶け合っているようにも見えて、なくなればなくなったで寂しいような気もする。

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