西海岸旅行記2014夏(03):6月6日:出発


 起きるとまだ6時半で、窓の外は曇天だった。薄い雨が降っているかもしれない。クミコはまだ眠っている。昨日、仕事から帰ってきて、遅くまでパッキングをしていたのだろう。既にパッキングを終えていた僕は先に寝てしまった。僕の荷物は普段使っている25リットルのバックパック1つだけだ。BURTONの「DUCT LINE」というシルバーのスケートバッグで、ホルダーにスケートボードを付けて行こうか随分迷ってやめた。飛行機に乗るとき面倒かもしれないし、一人旅ではないのでスケボーに乗って移動する機会も少ないだろう。

 2週間の海外旅行に25リットルの鞄1つは少ないのかもしれないけれど、僕はバックパック以外の荷物を持つのが大嫌いだし、ウルトラライト・パッキングの精神が大好きなので、これ1つに収めることは決めていた。考えてみると普段持ち歩いている物の他に、特別持って行くものはだいたい着替えと洗面道具だけで、夏の服装はほとんどTシャツで事足りるから大してかさ張るものでもない。

 具体的には、旅行用に加えた荷物は以下のようになる。
 そんなの書き出してどうするんだという話だけど、僕は子供の時ジュール・ヴェルヌの「地底探検」を読んで、最初の方に書かれていた持ち物リストで一番ワクワクしたので、それに倣いたい。

 レンジャーロールにしたTシャツ5枚、コットンのショートパンツ1枚、水陸両用のサーフパンツ2枚、ナイロンジャケット1枚、パンツ5枚、靴下6セット、タオル2枚、ビーチサンダル、洗面道具のポーチ、10メートルの細いロープ、7800mAhのANKERモバイルバッテリー、飛行機用の枕、LIGHT MY FIREのスポーク2本、ポンチョ、SOLの超小型エマージェンシー寝袋Bivvy。

 これにいつも持ち歩いているラップトップやKindle paperwhite、ペンとノート、iPhoneLEATHERMANのツールセットSQURTps4、snowpeakのヘッドライトゆきほたる、軍手など細々した物を合わせれば、多少のことでは不自由しない。そもそも僕達は物に溢れかえった大量消費社会のシンボルみたいな国へ行くのだ。クレジットカードが一枚あれば大抵の問題は解決される国へ。

 クミコが起きたのは7時半だった。僕達のフライトは12時50分のアシアナ航空関西国際空港までは、家から2時間の距離なので7時半に起きれば十分間に合う。僕が6時半に起きたのはもしかしたら心のどこかが高ぶっていた為かもしれない。でも、自覚としては朝起きてもアメリカへ行くのだという感じは全くしなかった。それはただの早い夏の、早い朝だった。

 僕達はシアトルからアメリカに入るつもりだった。
 京都駅から関空特急「はるか」に乗って関空まで行き、仁川国際空港で乗り継いでシアトル・タコマ国際空港という経路だ。
 その後はAmtrakの電車でポートランドへ行き、またAmtrakでシアトルへ戻ってタコマからサンフランシスコまでフライト。
 サンフランシスコ国際空港のAVISでレンタカーを借りて、そのまま10日間ほど車でウロウロした後ロサンゼルス国際空港で車を乗り捨て、仁川経由で関空へ戻る。
 シアトル、ポートランド、サンフランシスコ、ロサンゼルスへ行くのにはそれぞれ理由があるのだが、それについてはおいおい書くことにしたい。

 雨はほんの微かで、駅までは歩いて10分程度。歩いて行くこともできたが、先も長いのでタクシーで京都駅まで移動した。クミコはWILD THINGSの小振りなナップサックの他に、NORTH FACEの黒いキャリーバッグも持っている。運転手がタクシーのトランクから降ろしてくれたキャリーバッグに僕が手を掛けると、「いいよ、嫌でしょ、持つの」とクミコは言った。でもまあ、渋々でもなんでも協力するにはするさ、もちろん。
 灰色の空を背景にした京都タワーをチラリを見上げ、しばらく京都とはお別れだなと思う。キャリーバッグを引いて中央口から駅に入り、ドーナツとコーヒーを買って「はるか」に乗った。コーヒーは変な味で、僕は一口しか飲まずに捨ててしまった。「はるか」は特急という割には遅いし、線路もいつも大阪とか神戸へ行くときと同じ所を通るので、やっぱりアメリカへ行く気がしない。神戸まで買い物にでも行くような気分がする。
 「神戸へ行くんじゃないんだ」という気持ちになるのは、電車が大阪湾に差し掛かり、海に掛かった橋を渡りはじめる頃だ。橋の向こう側は関西国際空港。そうだ、僕達はアメリカへ行くのだ。

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