カーシェアリングとラブホテル
友達の知り合いがラブホテルを経営しているというので、ここ2、3年の売り上げの増減を聞いてみたのですが、友達はそこまでは知らないということでした。
売り上げのことを聞いてみたのは、ひょっとしてカーシェアリングの増加はラブホテルの収益を減少させているのではないかと思ったからです。
少し前に読んだ記事によれば、カーシェアリングを利用する人が急増しているらしく、そういえば2、3年前まで近所に停まっているカーシェアリングの車が動いているのを見たことがありませんでしたが、最近では出払っていることも多いので、僕の実感としても利用者は増えているのだと思います。
たしかにこれは便利です。
僕は京都に住んでいますが、神戸まで電車で出て買い物をしている途中で六甲山に行きたくなったら、iPhoneで近くにあるシェアの車を探して、会員カードをかざして解錠、その車で六甲まで行く、というようなことができます。
料金が安くなり、乗り捨てなどのオプションができると、利用者は爆発的に増えるだろうし、従来のレンタカーが駆逐されるのも時間の問題ではあると思います。
カーシェアリングの普及は、社会の様々なところに影響を及ぼすに違いありません。僕は特にデートのあり方が結構大きく変わるのではないかと思っています。
これまでのデートでは、「自分のを乗ってきた」であろうが「レンタカー予約した」であろうが、とにかく車の準備がないとドライブはできませんでした。つまり、ドライブは「わざわざ」行くものでした。
でも、これからは違います。
街で「ちょっとお茶」の途中に「天気いいね、こんな日に琵琶湖でもドライブしたら気持ちいいだろうな」でという話になれば、「また今度」ではなく、「じゃあ、今から行こう」です。
インスタントカップルよ永遠なれ。
さて、カーシェアとラブホテルの相関関係と書きましたが、ラブホテルを持ち出したのは、それだけが書きたかったからではありません。
実は、僕はラブホテルこそがシェアハウスだと思っています。
現行の流行のシェアハウスは3年から5年くらい掛けてますます流行し、その後ゆっくりと減少に向かうと思います。
代わりに、別形態のシェアハウスが誕生します。その別形態というのは、カーシェアに近い形の形態、つまり空間をシェアするのではなく、時間でシェアするという形態、ラブホテル方式のことです。
別にラブホテルでなくても、普通のホテルでもいいんじゃないのか、という話で、それはそうなんですが、普通のホテルはサービスが過剰です。もちろんそれがホテルの良い点ですが、今の文脈では余計です。
加えて、ラブホテルは普通のホテルよりいつも未来的でした。
予約も何もなしに立ち寄って、誰にも会わずに勝手に部屋に入ってすごし、出る時にお金を払う。それも現金をカプセルに入れて壁のパイプにセットするとエアーでフロントに運ばれて、お釣りがまたカプセルで返ってくる、みたいなシステムを使っていたところまであります。
将来的に、今は隠れて人がやっている作業も機械に置き換わるでしょう。完全無人のホテルに入って過ごし、スマホか何かで決済して外に出てくるのは、好き嫌いを別にして、やっぱり未来的です。
今、社会で起こっていることは「短期少量分割化」です。
音楽をCDアルバムというパッケージで買う人はほとんどいなくなりました。代わりに気に入った1曲をダウンロードします。流通の関係上、普通は300ページくらいだった書籍が、電子書籍では数十ページで出ています。雑誌という単位は滅びつつあり、人々が読むのは個別の記事です。
会社の平均寿命も1980年頃には30年と言われていたのが、今では5年。つまり普通はもう30年ローンで家なんて買えません。そもそも30年も一箇所に住むライフスタイルは滅びつつあります。
30年住む家→2年更新の賃貸→マンスリー(ウィークリー)マンション→Airbnb(ホテル形式、予約必要)→住みたいときにさっと入って使った分だけ支払う家(ラブホテル形式、予約不要)
という流れになるのではないでしょうか。
「ここが私の家である」という心の拠り所がなくなると困る、という人はずっと同じ場所に住めば良いですし、バンバン移動したい人は毎日のように違う土地で違う家に住みます。
また京都ー神戸の喩え話をしますと、神戸で夜ご飯でも食べてしまって、さらにお酒でも飲んでしまえば、「もう今日は神戸で泊まりたい」と思うのですが、色々考えて大抵は頑張って京都まで帰ります。
でも、このラブホテル形式の新しいシェアハウスが至る所にあれば、「今日は神戸で泊まろう」どころか、「今日から神戸に住もう」です。夜ご飯を食べていたレストランの近所に空いている家がないかiPhoneで検索して、そこへ行ってネット経由で解錠、引越し完了となります。2,3日して飽きたら、2、3日分の家賃を払って、さて次はどこへ行きましょうか。
そんなの素敵でもなんでもないと思う人がいることも理解できます。
でも、きっとこういう未来がやって来る。
そもそも定住というのは、人類の長い歴史において、高々1万年しか歴史のない、どちらかと云えば特殊なことですし、それは食料備蓄の必要に迫られてはじまったとも言われています。
テクノロジーがこれだけ発展した今、実は定住を続けている方がおかしいのかもしれません。
売り上げのことを聞いてみたのは、ひょっとしてカーシェアリングの増加はラブホテルの収益を減少させているのではないかと思ったからです。
少し前に読んだ記事によれば、カーシェアリングを利用する人が急増しているらしく、そういえば2、3年前まで近所に停まっているカーシェアリングの車が動いているのを見たことがありませんでしたが、最近では出払っていることも多いので、僕の実感としても利用者は増えているのだと思います。
たしかにこれは便利です。
僕は京都に住んでいますが、神戸まで電車で出て買い物をしている途中で六甲山に行きたくなったら、iPhoneで近くにあるシェアの車を探して、会員カードをかざして解錠、その車で六甲まで行く、というようなことができます。
料金が安くなり、乗り捨てなどのオプションができると、利用者は爆発的に増えるだろうし、従来のレンタカーが駆逐されるのも時間の問題ではあると思います。
カーシェアリングの普及は、社会の様々なところに影響を及ぼすに違いありません。僕は特にデートのあり方が結構大きく変わるのではないかと思っています。
これまでのデートでは、「自分のを乗ってきた」であろうが「レンタカー予約した」であろうが、とにかく車の準備がないとドライブはできませんでした。つまり、ドライブは「わざわざ」行くものでした。
でも、これからは違います。
街で「ちょっとお茶」の途中に「天気いいね、こんな日に琵琶湖でもドライブしたら気持ちいいだろうな」でという話になれば、「また今度」ではなく、「じゃあ、今から行こう」です。
インスタントカップルよ永遠なれ。
さて、カーシェアとラブホテルの相関関係と書きましたが、ラブホテルを持ち出したのは、それだけが書きたかったからではありません。
実は、僕はラブホテルこそがシェアハウスだと思っています。
現行の流行のシェアハウスは3年から5年くらい掛けてますます流行し、その後ゆっくりと減少に向かうと思います。
代わりに、別形態のシェアハウスが誕生します。その別形態というのは、カーシェアに近い形の形態、つまり空間をシェアするのではなく、時間でシェアするという形態、ラブホテル方式のことです。
別にラブホテルでなくても、普通のホテルでもいいんじゃないのか、という話で、それはそうなんですが、普通のホテルはサービスが過剰です。もちろんそれがホテルの良い点ですが、今の文脈では余計です。
加えて、ラブホテルは普通のホテルよりいつも未来的でした。
予約も何もなしに立ち寄って、誰にも会わずに勝手に部屋に入ってすごし、出る時にお金を払う。それも現金をカプセルに入れて壁のパイプにセットするとエアーでフロントに運ばれて、お釣りがまたカプセルで返ってくる、みたいなシステムを使っていたところまであります。
将来的に、今は隠れて人がやっている作業も機械に置き換わるでしょう。完全無人のホテルに入って過ごし、スマホか何かで決済して外に出てくるのは、好き嫌いを別にして、やっぱり未来的です。
今、社会で起こっていることは「短期少量分割化」です。
音楽をCDアルバムというパッケージで買う人はほとんどいなくなりました。代わりに気に入った1曲をダウンロードします。流通の関係上、普通は300ページくらいだった書籍が、電子書籍では数十ページで出ています。雑誌という単位は滅びつつあり、人々が読むのは個別の記事です。
会社の平均寿命も1980年頃には30年と言われていたのが、今では5年。つまり普通はもう30年ローンで家なんて買えません。そもそも30年も一箇所に住むライフスタイルは滅びつつあります。
30年住む家→2年更新の賃貸→マンスリー(ウィークリー)マンション→Airbnb(ホテル形式、予約必要)→住みたいときにさっと入って使った分だけ支払う家(ラブホテル形式、予約不要)
という流れになるのではないでしょうか。
「ここが私の家である」という心の拠り所がなくなると困る、という人はずっと同じ場所に住めば良いですし、バンバン移動したい人は毎日のように違う土地で違う家に住みます。
また京都ー神戸の喩え話をしますと、神戸で夜ご飯でも食べてしまって、さらにお酒でも飲んでしまえば、「もう今日は神戸で泊まりたい」と思うのですが、色々考えて大抵は頑張って京都まで帰ります。
でも、このラブホテル形式の新しいシェアハウスが至る所にあれば、「今日は神戸で泊まろう」どころか、「今日から神戸に住もう」です。夜ご飯を食べていたレストランの近所に空いている家がないかiPhoneで検索して、そこへ行ってネット経由で解錠、引越し完了となります。2,3日して飽きたら、2、3日分の家賃を払って、さて次はどこへ行きましょうか。
そんなの素敵でもなんでもないと思う人がいることも理解できます。
でも、きっとこういう未来がやって来る。
そもそも定住というのは、人類の長い歴史において、高々1万年しか歴史のない、どちらかと云えば特殊なことですし、それは食料備蓄の必要に迫られてはじまったとも言われています。
テクノロジーがこれだけ発展した今、実は定住を続けている方がおかしいのかもしれません。