医学部廃止論。

 中学からの同級生に、京大の経済を出たあと、今度は医学部へ入り直して、今ちょうど研修医をしている友達がいる。僕は学部でダラダラと長い時間を過ごした上に博士課程まで進学していて、彼も経済にいたとき留年していて、さらに医学部へ入ったので、春に会ったとき、2人ともいわゆる標準的な学生である年齢を大きく外れてまだ学生だった。中学のときの僕達のことを思い出すと不思議な気分がした。
 研修医生活を目前に控えた彼の言葉がとても印象的だった。

「なんか、俺、医学部行って頭悪くなった気がする。暗記以外特にすることないし、頭全然使わないし」

 そのとき彼と話していたことが、これを読んで腑に落ちました。

 医師増員のため、医学部を廃止せよ - 井上晃宏(医師)

 前半を引用すると

医師不足を解消するため、医学部定員の増加が必要とされているが、設備や教員の拡充がままならないため、すぐに定員を増やすことはできない。しかし、今すぐ、養成医師数を増やす方法がある。それは、医学部を廃止することである。
医師国家試験で問われる水準の医学知識は、高卒程度の基礎知識があれば、独学で習得可能である。学校教育は要らない。「国家試験は必要最小限度の知識であって、医学部の教育目標は、それよりも、ずっと上にある」と医学部教員は言うだろうが、実際には、医学部を卒業するのに必要なものは、国家試験程度の知識だけである。それだけが、医学部卒業者の品質保証となっている。』(引用終わり)

 この記事の後半でも触れていますが、2005年までの司法試験も別に学歴に関係なく誰でも受けて受かればOKという感じでした。別に法学部なんて行こうが行くまいが関係ない。
 ちまたに溢れる学校は、技術や知識の習得という意味では半分以上が無駄で、基本的には何かのコミュニティとして機能しているのだろうなと思う。正規の教育を受けていないのに大物になった代表格として建築家の安藤忠雄がよく上げられるけれど、彼が実践した「大学に行かなくても、授業で使っている教科書が何かを調べてそれを買って自分で読めばいい」というのはとてもシンプルで正しい発想だと思う。