ブッダならこう言うね!

 自分がとった行動について人が理解してくれないとき、それで説明するとなるととても話が長くなってしまう場合、何かパッと説明できる、少なくとも相手をなんとなく納得させることができる言葉がないかな、と思って考えてみると「仏教」という言葉が浮かんだ。

「なんでそんなことされたのに怒らないの?普通怒るでしょ。なんで?バカなの?怒らないなんて情けない」

仏教徒だから」

「どうして肉食べないの?」(別にベジタリアンじゃないけれど、あまり好んでは食べない)

仏教徒だから」

 そうか、僕は仏教徒だったのか。
 うん、これは便利だ。本当は全然説明になってないけれど、でも世界中でこの返答は理解されるだろう。ましてや日本人相手なら仏教に対する漠然としたイメージはあるからきっと理解される。

 そして、仏教というのは懐が無限に広いので、実際にはどんな場合でもこの答えが使える。

「どうしてクラブに行くの?」
仏教徒だから」

「どうしてキリスト教徒なの?」
仏教徒だから」

 どの問いに対する答えにも成り得るというのは、それが何の意味も持たないということだけど、意味を持ち同時に意味を持たないというのはとても仏教的だ。そして僕達は仏教的でないものこそ仏教的だとも言える。