20090502;0504.


 2009年5月2日土曜日

 混雑する前に行こうと、竜安寺が開く時間に合わせ寮のロビーに8時集合。大体みんな遅れてくるのと、あと今日は高雄までそこそこ走るので自転車に空気を入れたりして8:30前に出発。夏みたいな朝。
 西大路でKを待っていると「そこでばったり会った」といって彼と同じ研究室のPもつれて来る。そういえばPが何人か聞いてないけれどラテンのノリで実に良く喋る。
 竜安寺は予想に反してガラガラ。修復工事中の所為かもしれない。竜安寺の庭は驚くほど小さいと聞かされていた通り小さい。でも考えていたよりずっと良かった。ドイツから来ていてデザイン専攻のkは写真を撮ったりスケッチしたりして、シンガポールから来ていてジャニーズにやたら詳しく「寺には興味ない」と断言するcは日向の庭で眠りそうになっている。
 自転車置き場へ戻る途中の会話で留学生の女の子全員が日本へ来て太ったことが判明する。日本人が太らないのは食べ物の所為ではなくて遺伝子の所為だと結論。
 大学へ行くというPを見送ってから高雄へ向かう。思ったよりも全然近くて楽勝。ただすれ違う自転車は基本的に全部ロードだった。僕達はBMXと普通のシティサイクルでときどき歩く。
 高雄は2度目だけど、きれいな場所だ。しかしゴールデンウィークだと言うのに人が全然いない。神護寺を見た後、遅めの昼食を取る段になり、Kが研究計画を提出しに大学へ先に戻る。僕達もご飯を食べてしばらく話をした後で寮へ戻る。


 2009年5月3日日曜日
 各国のご飯を持ち寄ろうということで、大体いつもの面子で寮のキッチンでご飯を食べる。フィンランドからPの彼女が来ていてPの料理は彼女が持ってきたフィンランドのパン。郷土の材料をそのまま使えてずるいと思ったけれど、考えてみれば僕こそ京都にいるのだから材料は何でも手に入る。ところが日本の料理なんて何一つ作ったことがない。京都らしい料理なんて作れたものではない、というか僕は京都の味付けが好きではないので何も作りたい気分にならない。仕方がないので半年滞在で日本の正月を体験しない人もいるから京風の雑煮をグーグルで調べて作る。生まれて初めて白味噌を買う。台湾人のsがチャーハンを作っているのでそれはずるいとまた思う。結局のところ僕の以外は基本的にスパイスだとかが効いていておいしい。エジプトのAが作った魚料理が一番おいしい。つまるところ国や文化圏に関わらず人間は大抵スパイスとニンニクが入っているような料理が好きなのではないかと思う。僕もできることならプッタネスカか何か作りたかった。
 日本の伝統的な料理を作れとのことだったので、それなりに調べたのだけど、何が伝統かという風に突き詰めていくと何も作れない。和食のレストランに連れて行けといわれたときも同じだ。和食をベースにした創作料理のお店はたくさんあるけれどピュアな和食ってなんだろう。

 2009年5月4日月曜日
 洛西寮の方で夕方からパーティーをするとのことだったけれど、実家に運び込んだ荷物を片付けに行くと約束していたので実家へ4時ごろ行く。運び込んだ荷物よりも全面的に部屋を片付けることにして、ガラクタや昔の参考書などをせっせと捨てる。途中で朝永振一郎の「量子力学と私」、ファインマンの「物理法則はいかにして発見されたか」を見つける。ファインマンのは大学1年生の時に買ったのを覚えているけれど、朝永振一郎のは買った記憶も読んだ記憶もない。ファインマンの本を読んだときも自分が物理をするようになるなんて考えていなかった。2冊をこっちへ持ち帰る。寝る前にベッドの中で朝永さんの本を開くとドイツに滞在したときの日記が出てくる。朝永博士が32歳くらいのときに書かれた物で、「どうして私はこんなに頭が悪いのだろう。計算が上手くいかない。自分には存在価値がない」だとか「サボって映画を見に行って、途中で計算のことを思い出すと心臓がどきどきする」というようなことが書かれている。安心している場合ではないけれど、朝永振一郎でもこんなに苦しんだのだと思うと少し勇気が湧く。