wave.

 今月の物理学会誌に「マイクロ波環境と受動被爆」という記事があって、総務省というか工学的スタンスへの痛烈な批判が繰り広げられていた。簡単にまとめると、「現行総務省の出している電磁波環境へのガイドラインは工学からの計算結果に基づいているが、理論的にちゃんと計算すれば(もちろん実際に系を組んでの測定もしている)その工学的計算は間違っていて電磁波レベルが数桁も小さい値になっている(つまり本当はもっと危険)。こういった過ちは工学において電磁波の計算方法が環境ごとに場当たり的であり、包括的な理論がないからだ。だから包括的な理論を理学者が作らねばならない。」という感じで、まあまあ厳しい文章になっている。実際著者らは電子情報通信学会に公開質問状まで送っているが、きちんとした回答は得られていないという。


 水曜日。
 Nさんがベルギーから京都に戻っているのでランチを百万遍進々堂で食べる。なんだかんだ言ってまだ1年振りなのでお互いにそんなに変わっていない。視界の端でおばさんが手を振るので誰かと思えばSさんだった。商談か何かをまとめている様子。「京都って狭い」と、Nさんがお決まりの文句を言って、でも彼女はパリに行くとある日本人の女の子にかなりの確率でばったり会うのだという。
 夕方、偶然ではなくバイト帰りのPとお茶。

 木曜日
 Tとランチ。話の途中で、光子−光子相互作用のことをなんとなく考え直してみる気になる。光子同士はそのままだと相互作用しないけれど、ビームスプリッターなんかを用いてある光学系を組んでやると、厳密には相互作用ではないけれど面白い動作を見せる。普通に考えたら確率2分の1で起こることが全く起こらなくなったり。量子力学からの当然の帰結で、応用も随分研究されているけれど、何か大事なことが忘れられている気がして心に引っかかったままになっている。
 図書館によってから研究室へ行く。I君とOとしゃべっていて、途中でプラズマ推進の話が出て、やっぱり動くものの研究は楽しそうだなと思う。物性物理は動かないし地味だ。これから燃焼系の機関はどんどんと電気系の機関に取って代わられるだろうし、車はモーターでいいけれど、飛行機はプラズマとかになるはずだから、プラズマ推進の研究はとてもホットなんじゃないかと思う。
 夜、少し散歩がしたくなったのでコンビニでアイスクリームを買ってKと散歩する。