bmx100.

 日曜日、土曜日の朝に届いたBMXを組み立てる。そういえばBMXが届く直前に姫路のKから電話が掛かってきて驚いたことに来週僕のアパートのすぐ近所に引っ越してくるという。本当に目と鼻の先で、こういうこともあるんだなと思う。BMXはずっとずっと前から物色していて、念願と言っても過言じゃない。欲しかった形に極めて近いものが手に入った。中古でちょっとボロいけれど、同じ形のもっと状態の良い物を先日のオークションで高くて諦めたばかりだった。それで、やっぱり僕の予算では欲しい感じの物は無理なのだろうとしばらくBMXのことを頭の中から消していると、Tから「友達がBMXを只で手放すけれど」という話が来て、ただ写真を送ってもらうと僕の好みとは少し違っていた。好みとは違うけれど、これはこれでいいなと思い、随分迷った後に断って、それから僕は本当にどういうのが欲しかったのだろうと思ってオークションを開けてみたらこのバイクがあったというわけです。だから、このBMXを買うことができたのはタイミング的にほとんどTのお陰だと言える。

 この日、僕は寝不足だった。基本的に7時間は眠らないと頭がすっきりしないので、2日間連続で5時間くらいしか寝ていないというのは僕にとって非常な寝不足だった。だから、僕は自転車を組み立てたりする前に少し眠ったりすれば良かったのだけど、でもワクワクしてそれはできない。脳にも体にも動け動けと鞭打って、しかも食事もコンビニで買ったおにぎりをお茶で一瞬で流し込んで、つまり文字通り寝食を忘れて、大学から工具を取ってきて、足りないものを買いにいってと朝から動き回った。こういうとき、自分の研究もこれくらいの勢いで出来たらいいのになと思う。子供の頃、たとえばプラモデルを買ってもらったとして、帰りの車の中で我慢できなくて箱を開けて部品をなくしたりすることがあった。今でも何かを作るとき、そういう精神状態になることが時々ある。疲れていても、足りないものがあるのなら何度でもホームセンターに往復するし、食べるのも寝るのも邪魔なことになるし。だから、前に人生のもしもを考えることはあまりにもひどい妄想に過ぎないということを書いたけれど、実は僕は毎日理論物理学じゃなくて工学部で実際に物を作るところに行っていたら、と思う。後悔でもなんでもなくてやっぱり妄想として。僕は理論物理を選んだし、打ち込めるとかそういうレベルでではなく、もっと深いところで理論物理学がなんだかしらないけれどいいのだろうなと思う。それに、僕はあまり物事に熱中しすぎている自分が好きではないし、もっとニュートラルな状態で、つまり今のような状態でいたいと思う。

 そうして、昼過ぎにBMXが組み上がって、軽い調整をしたあとTのお店まで自転車を見せに行く。するとTがあるお菓子の説明文に書かれている「百人一首の秘密」というのを見せてくれた。なんと百人一首は歌を10X10で並べると地図になっているという話で、とても面白いです。その説に関して本を出している林教授のサイトがここにあります。よければどうぞ。
 http://www8.plala.or.jp/naomichi/

 この地図は地図というよりも言葉で編まれた風景画といったものですが、ものすごい言葉遊びだと思う。さすがアバンギャルドな天才藤原定家

 僕は子供のときから基本的にはMTBなんかのスポーツ車に乗っていて、先日まで乗っていた自転車がはじめての所謂軽快車シティサイクルだった。たぶんその辺りの経緯はこのブログの古いところにも書いたと思うけれど、カゴが付いていることが非常に便利だということに20代半ばで気が付いて買ってみたわけです。カゴや荷台は本当に便利で、泥除けも便利だけど、乗っていてやっぱり窮屈だった。BMXに乗ると心底開放された気分になる。シティサイクルじゃただの障害でしかない段差も穴も、BMXに乗っていれば遊び道具になるし、障壁を喜びに変換するなんてすごい自転車だと思います。もちろん、たくさん不便もある。スタンドもないし係留できる場所をいちいち探さなきゃいけないし、雨上がりは背中に泥が跳ねるし、ギアやチェーンに干渉しないようにズボンの裾をバンドで止めなきゃならないし、ワイヤーロックがいるし(そういえば今日の朝大学に自転車をとめていると用務員のおじさんにワイヤーロックをほめられた。細身のコンパクトなやつを使っています。ワイヤーカッターで1秒で切れるだろうけど)。でもまあその不便さも悪くはない。
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