football.

 昨日は日本のサッカーファンにとって、大きな試合が二つあった(ちょっとEUROは別として)。その中で、色々な意味で最も多くの人の印象に残ったのは遠藤のPKだったのではないだろうか。普通のPKに比べれば異常に遅い、地面をコロコロと転がるボールは、キーパーが一歩も動けないままゴールマウスの右へ吸い込まれていった。あの大一番でコロコロPKを蹴るのは相当なものだと思う。

 中田のサッカーはとても楽しみにしていたのに、京都では放送がなかった。釜本監督までピッチに立ったというし、すごく見たかった。なんてことだ。

 カタール戦:選手があんなに汗をかいている試合をはじめて見たかもしれない。気温、湿度ともに高く、芝が少し深いというコンディションの中で、それでも試合は面白かった。
 中村俊輔は左利きで繊細で日本人が一番好きなタイプのプレイヤーだと思うし、実績も重ねて押しも押されぬ日本の10番になったと思う。僕の一番好きなサッカー選手は松井大輔だけど、この日は仕掛けてもあまり成功していなかった。前半の早い時間に先制点を上げたカタールは引いて守りを固めていたので、ドリブルで切り込もうにも複数の選手がすばやくチェックを入れてくる。ボールを奪われるとシンプルで早いカウンター攻撃を仕掛けられてピンチを招くという嫌なパターンが何度かある。
 大久保がレッドカードを貰ったことは、2列目からの飛び出しが得意なフォワードを失ったという点で確かに日本にとって痛手だけど、それよりもあんなにはっきりレッドカードらしい行為を見たのは久しぶりで驚いた。大久保は昔、いいストライカーだけど素行が悪い、みたいなことで謹慎されていたことがあったと思うけれど、僕はそれくらいの大胆さというか姿勢というのもフォワードとしては心強いのではないかと思うし、実際に大久保は好きなフォワードの一人だ。以前に日本代表の試合で、パスを受けた大久保がドリブルを開始すると、ボールを奪いに来た敵の選手が吹っ飛ばされて、大久保ってそんなにフィジカル強かったのか、と思っていると、あとから流れたスロー映像で実は裏拳がさりげなく相手の顔面に入っていることが見てとれた。もちろん反則は良くないけれど、怖気づいて試合をするよりはいい。

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 最近、量子モンテカルロ法を量子光学に適用する趣旨の論文を読んでいて、学部1年生の時にモンテカルロ法で円周率を計算してみるという課題をやったことを思い出した。モンテカルロ法というのは乱数をうまく利用して何かを計算しようというのが基本的なアイデアになっているもので、たとえば円周率の計算のときは二次元平面の第一象限x,yそれぞれ0〜1の範囲に擬似乱数で作った座標をたくさんプロットして、そのうち何個が原点中心半径1の円内にあるかというのをカウントして円周率を計算した。擬似乱数の精度が高ければ、大数の法則があるので当然プロットの数が多いほど正確な円周率が計算できる。これは極めて単純な場合なので、べつに乱数を使わなくても等間隔で点を打てば同じことだけど、話が複雑になるとそうも簡単には行かない。

 このとき、僕は生まれて初めてコンピュータの威力というものを実感した。この円周率の計算は極めてシンプルなプログラムで走るので、実際にはこんなことで驚くよりも普通にコンピュータで音楽の再生ができていることや画像の表示ができていることに驚くべきだけど、それらは自分で作ったわけではないから実感が湧きにくい。でも、このプログラムを作るときは実際に自分で「点を適当に100万個打って、そのうち何個が円の中に入っているか数えなさい」というような、自分でやってみろと言われれば「無茶なこと言うなよ」と腹を立てるしかないようなことをコンピュータに命令したわけです。コンピュータは文句の一つも言わずにそれをこなしてしまった。すごいと素直に思う他ない。
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