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 昨日、安倍首相が辞任されてどうしてだか自分でも良く分からないけれど、それなりにショックを受けた。僕は政治に関心の薄い人間で、安倍総理に特別の興味があったというわけでもなく、ましてや前回の選挙以来ほとんど完了形で語られるようにもなった「自民党は終わった」という意見に賛同をすら覚える者だ。でも、安倍総理の辞任はショックだった。
 テロ特、あるいはイラクのアメリカ支援で、民主党が口をすっぱくして言っている不透明性の下に一体何があったのだろうと思う。日本はアメリカ軍に供給している石油を標準的な値段の3倍でどこからか購入していて、はっきりは分かっていないけれど、その購入先はアメリカではないか、と言われている。つまり、アメリカから異常な価格で石油を買ってそれをアメリカにあげているという訳の分からないことが起こっている可能性がある。
 ただ、こういったことが本当に起こっているのであれば、それは誰が見ても変なことであって、それを死守しようとした安倍総理達は一体何を見ていたのだろうと考えざるを得ない。政治には必ず秘密が付きまとう。本当は何か理由があるのだ。

 先日、日本語がしゃべれないOの代理で電力会社に電話をして、新しいOの部屋の電気料金申し込みを行った。一通りの申し込みを終えた後、係の人はこう言った。「そちらのお部屋は湯沸かし器が電気式になっていて、電気料金の安い夜間にお湯を沸かすようになっていますので、湯沸かし器の時計が狂っていないかだけはチェックして頂けるようお願いします」
 なんとも親切なことだ。
 でも、僕は電力会社のオペレータがちょっと調べるだけで、その部屋の湯沸かし器のことが分かってしまうなんて、一体電力会社はどれだけのデータを持っているのだろうと怖くなった。電力会社はそれほどではないかもしれないけれど、電話会社だとか保険会社だとか、そして、日本政府。政府の持つ情報というのは生半可なものではない筈だ。

 メディアを含め、市民はあれこれと勝手な詮索をすることが可能だ。時代はなんといっても平和時代で、何を言っても大抵は許される。でも、本質は蚊帳の外からじゃつけないだろうなと思う。全ては後から理解されるだけだ。
 つい先日、安倍総理が「給油の延長に職を賭す。役職にしがみつくつもりはない」と言ったとき、発言意味が理解できない。やけに成ったのか?というような憶測が飛んだけれど、結局はこういうことだった。

 昔、三谷幸喜さんの脚本で総理大臣をテーマにしたドラマがあった。「総理と呼ばないで」というタイトルで、田村正和が総理大臣の役をやっていた。結局、内閣は支持率が全然なくてスキャンダルか何かで総理が辞めてしまうのですが、本当は何かを庇って彼は辞めた。マスコミや世間には酷く叩かれ、歴代最低の総理大臣として扱われるが、総理官邸側の視点で描かれたドラマを見ていれば、マスコミの連中はただのバカな野次馬で、結局事情を知っているのは内部のものだけだった。
 以来、似たようなことは常に起こっているのだろうな、という想像力を失わないように政治のニュースを聞くことにしています。