twilight.

 草原を渡る風を、こんなに長い間眺めていてもいいのだろうか、と僕は思う。その昔、一人の作家が小さな号令をかけたとき、その年僕は生まれて、本当は歌を聴こうとしていた。今までずっと。マミコは「止まっている風を風とは誰も呼ばないのよ」と言ってフランスへ行ってしまった。
「ある種の魚達が、泳ぎ続けていないと呼吸できないようにかい」
「いいえ、違うわ。存在がなくなることと死ぬことは別のことよ」
 そんなことは僕だって分かっていた。これは大体の喩えであって、いうなれば修飾に過ぎないものだからそんなに厳密なことを言われても困る、と言おうとしたけれど、彼女のタバコに火をつける仕草がとても滑らかだったのでやめた。それは止めてはならない動作に見えた。あるいは止める事のできない動作だったのかもしれない。僕は代わりに言った。もちろん、タバコに火が着くのを確認してから。
「タバコ、やめなよ」
「そうね」
「肌にも悪いよ」
 彼女の肌は透き通るようにきれいだった。


2007年6月19日火曜日
 夕方の気候がとても快適なので、大学の中庭で本を読んでいるとOがやってきて、しばらく話をする。Oは「硫黄島からの手紙」のDVDを借りてきたらしく、その映画は先日の妹の家での食事会で話題に上ったのでタイムリーだとかなんとか言っているとI君がやってきて、3人でしゃべっていると9時前になってしまう。
 そのあと大学を出るときに、構内の木陰でおじさんが寝ていて、外はもう暗いし、さらにそこは快適にごろごろできるような場所ではなくて雑草の茂りすぎた道端だったので倒れているのかと思って声を掛けると寝ているだけとのこと。

2007年6月20日水曜日
 夜10時半からSちゃんのところで映画「69」を見る予定だったけれど、ドイツへ出張中の先生に送るpdfを作っていると10時になってしまい慌てて学校を出る。ついでなので大学から大宮まで急ぐと自転車でどれくらいかかるのか測ることにした。だいたい20分。途中でYさんにすれ違うも、慌てたときのスピード感を楽しむモードだったのでろくな挨拶もしなかった。今度丁寧に挨拶することにしようと思う。

2007年6月21日木曜日
 研究がいいところで気になっていたので朝早くから研究室に行こうと思っていたけれど、エフェクターが丁度届いたので嬉しくなりギターを弾いていると昼になってしまった。ヘッドホンの中でギターがギュインギュイン鳴り、外の音は全然聞こえない。視界の端で何かがチカチカするので何かと思えば携帯電話がなっていた。電話はWからで、ランチでもしないか、というので何故かすごく安いブラジル料理のお店でランチを食べて、天気が良いのでそのまま二人して宝ヶ池まで足を伸ばす。そういやあそこってボートあったよね。うんあったあった。乗る?わー乗ろう。とボートに乗ることを決めるととてもテンションが上がり、池に着くや否やボートを借りて乗った。僕は小学生のとき以来だと思う。ボートの時間は1時間ときめられていて、どうせそんなに乗らないよ、と思っていたところ、Wのポートフォリオを見たりグミキャンディを食べたり亀を見たりカモをみたり鳥の絶叫に腹を抱えたりしていると時間はすぐに過ぎた。
 池の畔をうろうろして、Wをバスまで送ったあと、一旦大学に戻りCDを鞄に入れて御池までAに渡しに行く。
 一日中、日に曝されて腕や肩が真っ赤になる。これからはちゃんと日焼け止めを塗ろうと思う。
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