Cherry on our red bench!

 もしも良ければ、僕のメールアドレス( sombrero-records@goo.jp )に何か送っておいて頂けるととても嬉しいです。もちろん、本当にもしもよければです。

 変な私信を載せてすみません。
 誰に当てたものかは、心当たりの人には分かる、という奇妙なメッセージです。たぶん分かってもらえるんじゃないかと思います。忘れていなければ、4月3日の休日に。願わくば。

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 3月31日、京都では妹の結婚式があって、東京では友達の結婚式があった。そうして、3月という舞台の幕引きと幕開けの間みたいな月は終わった。僕にとってこの3月というのは比較的忙しい月で、自分の思うことがあまりできなかったし、研究に関しては全くの進展がなかった。寒い寒いと言いながら、それでも確実に日の光は高くなり、世界に春は到来し、幾人かの友人達が京都を離れて行くのを眺めながら、本当の意味合いでは僕の周囲で時間は流れなかった。
 だけど、3月は終わり4月が始まった。4月というのは間違いなく幕が上がる月だ。世界が舞台だというのはシェークスピアに聞くまでもない。

 3月31日というのは、僕にとっては象徴的な日だった。
 この日、僕は結婚式の映像を編集して二次会で使うVJの素材にしようとしていたのだけれど、式が予定の時間には終わらないで、移動やセットアップをしていると到底そんなゆとりもなく(おまけに僕は少し酔っ払っていた)、もともと1台のラップトップでDJとVJと映像編集を一人で短時間にしようなんて無理があったのだけれど、出来映えはぶっつけ本番のかなり不満足なものだった(今やプロフェッショナルになったAが東京から助けてくれなかったらひどいことになっていたと思う。ありがとう)。
 それでも、スタッフの人たちに助けてもらって、それなりに忙しく一つのイベントを行って、結果のレベルに関わらず僕は心地よい満足を覚えた。久しぶりの感覚だった。ここしばらくの間、なにかのイベントを成すということを僕は意識的に避けていた。僕にとってそういったことはもう終わったのだ、と決めていて、これからは象牙の塔に篭って研究に専念しようと思っていた。でも、やっぱり僕はこういったことが好きなのだなと思った。正直なところ、僕はそのパーティー会場で働きたいとすら思った。
 この日だけではなく、僕は3月の終わりにいくつかの店を訪れる必要があって、お店の人と話をして、新しいものをいくらか見つけた。もちろん研究はきちんとしたいけれど、僕はやっぱり外が好きなのだと思う。
 この感覚が、単に春のせいなのかどうか僕には分からない。桜の花が咲く、ということの意味合いがどんどんと強くなっていく。