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 コンタクトレンズを目に入れると目がビリビリと痛くなった。慌ててコンタクトを外して、目を水道水で洗い、鏡を覗き込むと目は充血していたけれど糜爛などは見られなかったので一安心して考え込んだ。

「一体何が原因なのだ?」

 僕は1時間半くらい前に部屋に戻ってきて、そしてコンタクトレンズを外して0.9パーセントの食塩水にそれを浸しておいた。それからMちゃんの誕生日パーティーに持っていくためにプッタネスカを作り、それを冷ましている間に身支度を整えようと、再びコンタクトを入れると目が痛いと言うわけだ。痛いはずがない。僕は過酸化水素水か何かと食塩水を間違えたのかと思ったけれど、今は過酸化水素水を使っていないのでそれはありえないことだった。食塩水を入れたレンズケースになにか薬品が付着していたことも考えられない。周辺にあったものはコンタクトレンズのケア用品だけなのだ。

 一体なにが起こったのかしばらく考えていると、原因はプッタネスカにあったことが分かった。僕はプッタネスカに鷹の爪を入れたのだ。鷹の爪から種を取り出すとき、僕はそれを指で行った。必然、指先にはカプサイシンが付着している。そんな指でコンタクトレンズを扱えば目がビリビリするのも当たり前だ。
 試しに指先を舐めてみると、案の定舌がピリピリした。なんだ。唐辛子か。

 僕は指先をこれでもかと洗い、舌に当ててみてピリピリしなくなるまで洗い。それからレンズも念入りに洗ってもう一度目に入れてみた。今度はもう全然痛くなかった。レンズを入れて、僕はパーティーに出かけた。