カラフルな言語。

 大学の図書館をうろうろとしていたらweb yellow pageを見つけた。まだこんなものがあるとは、と少し懐かしく思ってパラパラと開いてみたらそこには古くて拙いいくつかのサイトが載っていた。

 このイエローページというのが何なのか知らない人も多いと思うので、簡単に説明すると、これはインターネットの電話帳みたいなものです。
 インターネットが一般に普及し始めたその黎明期、まだ検索エンジンというものは一般的ではなかった。yahooができて、「検索」という概念が市井に定着し始めはしても、まだyahooをヤフーと読むのだとは知らないでヤッホーだと勘違いしている人がたくさんいたようなそんな時代。インターネットカフェへ行くと本棚に何冊かこのイエローページがあって、お客さんはその巨大な電話帳で目的のサイトを探し、そこに書かれたURLを打ち込んでサイトを閲覧するという方式だった。今から思えば信じられないし、まるで笑い話ですね。

 だけど、当時はそれが最先端の方式だった。
 僕は高校生のとき、これも今振り返れば何をそこまでと思うのですが、結構慎重に大学を選んでいて、そのためにインターネットカフェを2回くらい利用したことがある。もちろん家にはインターネットなんてなかったし、そもそもパソコン自体なかった。僕はインターネットカフェへ行き。電話帳を引き。URLを打ち込み。出てきた薄っぺらな情報を有難がっていた。これがインターネットというものか、とびっくりしていた。

 今はgoogleがあって、各家庭にブロードバンドが引かれていて常時接続で、あまり意識しないけれど時代は確実に変わった。IT革命というのがどことなく胡散臭い言葉で、革命だなんて大げさな言葉にみえるけれど、実際にIT革命というのは革命だったのだと思う。日本の片田舎に住む小学生が携帯電話から送信した動画が瞬時にエジプトへ出張している父親の携帯電話に届く、というような時代に僕達は生きている。こんなにたくさんの情報が世界中を瞬時に飛び回る状況を経験した人類は僕達以前には存在しない。