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 先日、Kちゃんが食べ物に関して「リアル」という表現を使った。
 みんながパフェだとかアイスクリームを食べている中、Kちゃんだけが「ゆで卵」を注文する。Kちゃんは変わった子だという文脈を受けて、Kちゃんは、

「ゆで卵の方がリアルな感じがするから」

 と言って彼女の嗜好を説明した。
 それはとてもしっくり来る表現だった。確かに、ストロベリーアイスクリームよりもゆで卵のほうが「リアル」だ。ここで、僕は新しい言葉の定義を行うことができるだろう。
 つまり、「リアルフード」と「バーチャルフード」の二つで、ゆで卵はもちろんリアルフード、ストロベリーアイスクリームはもちろんバーチャルフードだ。

 書くのが面倒なので以下、バーチャルフードを「VF」、リアルフードを「RF」と書けば、水、牛乳、餃子、チャーハンはRB。コカコーラ、チュッパチャップス、こんにゃくゼリーはVFということになる。

 VFには自然状態から随分な加工が施され、たとえば着色料や香料を投入されたものが多いと思うので、これをバーチャルだと呼ぶのはあながちおかしいとは言えない。本当はただの砂糖の塊なのにメロン味がするなど、むしろ、まさにバーチャルだと言える。

 基本的にVFには大量の砂糖が入っていると思うけれど、でもチョコレートはRFであるような気がする。そして、どうしてなのかよく分からないけれど、マクドナルドはVFに分類されるだろう。僕は昔からどうしてパンと肉とジャガイモがメインのマクドナルドがこのような違和感を持った食べ物となるのか思い悩んでいるのだけど、やっぱり改めてVFだと思う。最近はマクドナルドにサラダまであるのに、でもVFだ。

 別に食べ物をRFとVFに分ける必要は全然ないのですが、でも、僕の中では今まで漠然と感じていた”食べ物に対するある感覚”を表現するのにとても便利な言葉なので、これからときどき使おうと思う。