dear, my lactobacillus.

 以前に触れた、「えひめAI」ですが、昨日の昼に気の早い僕はシャワールームに撒いてみました。
 短くても1週間は発酵を進めるのが良いみたいですが、要は乳酸菌と納豆菌を中心とした菌類を撒いておけば、彼らが汚れを食べてくれる、ということだと思うので、そんなに発酵が進んでいなくてもまあいいやと思って撒いてみました。
 発酵が十分でないことは舐めてみればすぐに分かります。まだほとんど酸味がない。
 でも、僕はもう待てずに撒いたわけです。効果は弱いかもしれないけれど、無くはないだろうと。

 最初はちびちびと撒いていたのですが、単位量あたりの菌も少ないはずだし、だいたいが安価なものだからケチケチしたところで意味がないと思い、どしどしとタイルにばら撒いてみました。汚れている場所には多めにかけて、そうして僕は、帰って来たときが楽しみだなと、そわそわしながら出かけました。

 夜中に、部屋へ戻った僕は、ワクワクしながらシャワールームの扉を開けた。
 すると、まったくその中は変な臭いが充満していて、もはや汚れが分解されるだとかそういった次元の問題ではなくなっていた。
 まるで、雨に濡れた後の犬みたいな臭いだ。

 まいったな。
 僕はがっかりして、それから、これはえらい物を撒いてしまった、と思い、慌ててシャワーでそれらを洗い流した。
 そのままでは臭くてシャワーも浴びれない。

 そうして一晩眠り、今日の朝見てみると、シャワールームの中は今度は、まだミルクしか飲めない赤ん坊のゲップみたいな臭いになっていたので、僕は慌ててグレープフルーツの香りが付いた合成洗剤を使って全部を洗い流した。
 まったく何をやってるんだか。

 しかし、これからは全部菌たちがきれいにしてくれるという掃除の要らない生活がやってくると思っていたのに、僕が甘かった。
 でも、まあ、多分使い方が悪かったのだろう。

 もうしばらく、色々と試してみようと思います。
 昔、どこかに「高校生のころはアリと一緒に暮らしていた時期がある」というようなことを書いたと思いますが。お菓子をこぼしてもアリが自動的に掃除してくれるというシステムは嬉しいものでした。それから生き物を飼っていて、たとえばキャベツの芯が料理で出たときにそれをモルモットにあげるとか、そういうのって楽しいですよね。