幻灯。

 昨日の夜、出町柳の中州でパーティーをしました。あの地形を中州と呼んでいいのかどうか、いまいち自信が持てないのですが、でも、中州とずっと呼んでいて、パーティーの名前も結局そのまま中州パーティーになってしまった。

 昼のうちに、僕は今山くんとスクリーンに使うためのプラスチックの板を買いに行って、その大きな板を無理矢理自転車で運んでいたのですが、そのときしていた会話の中で、「車を持ってる人はみんな忙しいのだ」という名言を彼は口にした。まさにそれは真理だった。金曜日の真っ昼間からパーティーの準備をしているような僕らには便利な車はなく、車を持っている人達はみんな自分達のすべきことを、つまり仕事やなんかを着々とこなしていた。僕たちは汗だくでプラスチックを運ぶ。

 この日、準備をしている段階ですでに僕たちはへとへとだった。湿度も気温も高くて、重い器材を運んで全身が汗にまみれていた。
 それで、という訳ではないけれど、この日僕は随分と調子が悪かった。自分のペースでパーティーを進めることもできなかったし、ほとんど踊らなかったし、せっかく来てくれた人達ともそんなには話さなかった。それをとても申し訳なく思う。でも、昨日という夜はもう過ぎて、それは半分以上がとり返しのつかないことだ。

 でも、みんな楽しかったと言ってくれたのは幸いです。
 もちろん、僕もとても楽しかった。
 ただ、自分のしようとしていることが一体何なのか、ときどきよく分からなくなる。考えてみれば音楽と映像でダンスとお酒というのは、どこにでも転がっている話だ。それだって楽しい。でも、僕の行きたいところは少しだけ違うものを持っている筈だと思う。僕はその今は見えないものについて考える。

 昨日はスピーカーの限界をとても強く感じた。
 音を上げるととても歪んだ音になって、やっぱりもっと大きなスピーカーを使いたいなと思う。でも、あまり大きな音になっては近所迷惑にもなる。一応、周囲にどの程度音が聞こえているのかチェックはしているのですが、川を渡ると音楽はほとんど聞こえなくなる、むしろ僕たちの話している声の方がよく聞こえる。スピーカーから出る音の、特に中音から高音は減衰がとても強いと感じる。

 三角州の先端に立てた三帖弱のスクリーンはまあまあ目立って、今遠巻きに僕たちのしていることを眺めている人は結構いたけれど、やっぱり彼ら彼女らが僕らのところにやってきてパーティーに加わる、というか空間を共有することはなかった。
 ふらりとやってきたのは、隣でバーベキューをしていた人達と、あとは九州から歩いてきたという初老の男性くらいだった。

 それにしても来て頂いた人々には大きな声でありがとうと言いたいです。