do you like green tea?
昨日、Bに誘われて京極夏彦の「ウブメの夏」を見に行った。
Sちゃんの日記によって、あまりいい映画ではない、という評価を知ってはいたけれど、まあ一度見てみてもいいかと思って見に行った。
確かにちゃちな映画だったし、原作を知らない人にはほとんど何も伝わらないのではないかとさえ思えた。
でも、まあ映画館で映画を見るというのは、映画がなんであっても楽しい。
もちろん、最大サイズのキャラメルポップコーンとドリンクを抱えて座る。
映画が終わると9時で、もちろん僕たちはお腹を空かせていて、エースカフェでビールとパスタ。
それから結局Bの部屋でダラダラと過ごす。
三条から自転車に乗って移動していると、軽い雨が降りはじめた。
「私達って、一緒に自転車乗ってたら絶対雨降るような気がするんだけど」
「確かに」
川端通りを北に向かって進む。僕は川端通りから眺める京都市街を好きだと思う。とても輝いて見える。
「昔、最初にこの道を通ったとき、まあいつだかは覚えてないけれど、でもまさか将来こんなにたびたびこの道を通ることになるなんて思いもしなかったよ」
「えっ」
「将来のことってほんとにわからないなってこと」
中学と高校が同じだった友人に、大学の2年だか3年のときに偶然再会した。
それも実家から遠く離れた北山のスーパーマーケットで。僕は当時一緒に暮らしていた恋人と買い物をしていて、彼も一緒に暮らしていた恋人と買い物をしていた。つまり、僕たちは目と鼻の先の距離に住んでいた。
その後、僕たちはいくらか交友を取り戻し、そしていつだか飲みに行った帰り道、アパートの近所を歩きながら感慨にふけった。
「なんか、二人でこんなところ歩いてるなんて変な感じしない?」
「する。まさか、中学の時はこういうことが起こるとは思いもしなかった。お互い北山に住んで、一緒に帰り道を歩くなんて」
あらゆることが予想外で不思議だと思う。
そして同時に、願いはゆっくりと叶って行くような気もする。
_________________________
このあいだ、Tくんとメトロに行ったとき、黒人の女の子と話す機会があった。
彼女はサンフランシスコからやってきたアメリカ人で、それから日本語が随分とうまく話せて、僕はほとんど英語を使う必要がなかった。
「なんかダンスって恥かしいね」
「えっ、でも君はアメリカ人でしょ」
僕は笑いながら言う。
「アメリカ人だって色々いるもん」
「そうだね、知ってるよ」
それから彼女は僕を見て言った。
「日本人って痩せてるね」
「色々だよ。日本人にだって痩せてる人も太ってる人もいる」
「そうね。知ってる」
彼女は日本と日本人がとても好きだと言った。前の彼氏も日本人だったと言った。
それから、日本に関する話をいくらかして、後ですこしだけ合気道を教えるよ、それから少し話そう、と約束をしたけれど、でも僕はその約束を果たさなかった。とても申し訳ないことに、その日、僕は全く上の空だった。
彼女は今頃大阪にいるはずだし、一月以内にサンフランシスコに帰るだろう。そして、多分もう永遠に会って話をすることはない。本当に申し訳ないことをしたと思う。一期一会という言葉を強く思う。そして、今度会ったらきちんと謝ろうと思う。思わぬ再会というのは意外と起こることでもある。
Sちゃんの日記によって、あまりいい映画ではない、という評価を知ってはいたけれど、まあ一度見てみてもいいかと思って見に行った。
確かにちゃちな映画だったし、原作を知らない人にはほとんど何も伝わらないのではないかとさえ思えた。
でも、まあ映画館で映画を見るというのは、映画がなんであっても楽しい。
もちろん、最大サイズのキャラメルポップコーンとドリンクを抱えて座る。
映画が終わると9時で、もちろん僕たちはお腹を空かせていて、エースカフェでビールとパスタ。
それから結局Bの部屋でダラダラと過ごす。
三条から自転車に乗って移動していると、軽い雨が降りはじめた。
「私達って、一緒に自転車乗ってたら絶対雨降るような気がするんだけど」
「確かに」
川端通りを北に向かって進む。僕は川端通りから眺める京都市街を好きだと思う。とても輝いて見える。
「昔、最初にこの道を通ったとき、まあいつだかは覚えてないけれど、でもまさか将来こんなにたびたびこの道を通ることになるなんて思いもしなかったよ」
「えっ」
「将来のことってほんとにわからないなってこと」
中学と高校が同じだった友人に、大学の2年だか3年のときに偶然再会した。
それも実家から遠く離れた北山のスーパーマーケットで。僕は当時一緒に暮らしていた恋人と買い物をしていて、彼も一緒に暮らしていた恋人と買い物をしていた。つまり、僕たちは目と鼻の先の距離に住んでいた。
その後、僕たちはいくらか交友を取り戻し、そしていつだか飲みに行った帰り道、アパートの近所を歩きながら感慨にふけった。
「なんか、二人でこんなところ歩いてるなんて変な感じしない?」
「する。まさか、中学の時はこういうことが起こるとは思いもしなかった。お互い北山に住んで、一緒に帰り道を歩くなんて」
あらゆることが予想外で不思議だと思う。
そして同時に、願いはゆっくりと叶って行くような気もする。
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このあいだ、Tくんとメトロに行ったとき、黒人の女の子と話す機会があった。
彼女はサンフランシスコからやってきたアメリカ人で、それから日本語が随分とうまく話せて、僕はほとんど英語を使う必要がなかった。
「なんかダンスって恥かしいね」
「えっ、でも君はアメリカ人でしょ」
僕は笑いながら言う。
「アメリカ人だって色々いるもん」
「そうだね、知ってるよ」
それから彼女は僕を見て言った。
「日本人って痩せてるね」
「色々だよ。日本人にだって痩せてる人も太ってる人もいる」
「そうね。知ってる」
彼女は日本と日本人がとても好きだと言った。前の彼氏も日本人だったと言った。
それから、日本に関する話をいくらかして、後ですこしだけ合気道を教えるよ、それから少し話そう、と約束をしたけれど、でも僕はその約束を果たさなかった。とても申し訳ないことに、その日、僕は全く上の空だった。
彼女は今頃大阪にいるはずだし、一月以内にサンフランシスコに帰るだろう。そして、多分もう永遠に会って話をすることはない。本当に申し訳ないことをしたと思う。一期一会という言葉を強く思う。そして、今度会ったらきちんと謝ろうと思う。思わぬ再会というのは意外と起こることでもある。