ストラクチャー。

 「美女と野獣」というとても有名な物語を知らない人は少ないと思う。たぶん、この日本語のテクストを読める人で、インターネットにアクセスできる、という環境を持つ人で「美女と野獣」を知らない人なんてそうはいない。

 僕の通っていた高校はとても変わった(どちらかというと悪い意味で)高校で、文化祭すらないという異常さを持っていた。文化祭の代わりに、なぜか僕らは男ばかりの集団(そう、なお悪いことに男子校だった)で劇団四季のミュージカルを見に行くという訳の分からないことをせねばならず、だから、僕は劇団四季の「オペラ座の怪人」と「美女と野獣」を見たことがある。

 この観劇のとき、美女と野獣を「人を見かけで判断してはいけない」というメッセージを持つ物語だと思っている人がそこそこ多いので吃驚した。

 あれはそんな当たり前のことを伝えるために作られた物語ではない。
 良く考えてみればすぐに分かることだが、そのメッセージを伝えるにはこの物語は構造的に破綻している。
 なぜなら、最後の最後で「野獣」はもとのかっこいい王子か何かに戻り、そしてハッピーエンドとなるから。
 つまり、結局最後の最後で、「かっこいいもとの姿」=「ハッピー」と断言して物語は終わる。

 これでは「人を見かけで判断しないように」というメッセージは収まらない。
 
 今日はholidayloverさんのブログで知った川端丸太町の洋書店green e booksへ行ってみた。
 良いお店でした。店員さんも気さくだし、DVDのレンタルもあります。

 エトワやメトロのすぐ近くなのに、僕はこのお店の存在を全然知らなかった。京都だって、まだまだ知らないところばかりだ。
 それにしても、インターネットは本当に便利だと思う。僕は随分な恩恵を受けている。

 夕方には、久しぶりにM先生のところへ遊びに行った。
 四国とか山口とか行ってみようかと思うんですけれど、というといくつか面白そうなポイントを紹介して下さった。
 いくらかデザインや思想周りの話をする。本当に色々な話が次から次に出てきて、やっぱりプロの学者というのはすごいなと改めて思う。