ウォーターフロント。

 最近の死体は腐りにくい。
 という話を、Mの友達がカルチャークラブで一緒になった葬儀屋さんから聞いたらしい。

 なぜかというと、いかにも察しがつくように、我々現代人は保存料の入った食品を大量に摂取するからだ、というのがもっともらしく付けられた理由で、まあそれは多分正しいのかもしれない。
 食品中に含まれる添加物がどの程度人体に蓄積するのか僕は知らないけれど、まったく影響を受けないとは考えられない。

 「そうなんだ、それは便利になったね」

 と、僕は言う。

 そのMの友人が通っているカルチャークラブというのはヨガのカルチャークラブで、そこにはベジタリアンだとか、オーガニックな野菜しか食べないとか、そういう人々が溢れているようなので、この葬儀屋さんの話も軽く眉に唾をする必要はあるかもしれない。

 それから、腐り難い人体について考えた。
 食品添加物の持つ、発がん性や、催奇形性のことはひとまず考慮の外として、純粋に人間の死体が腐り難いということについて考えた。

 死体が腐り難いということは、すなわち今生きている僕たちのこの体も既に腐り難いということだ。腐り難いということは、つまり細菌の活動を阻害する要素を持つということで、ならば沢山の細菌と共生している僕たちに不都合が生じない筈ない。
 
 今、人体と細菌の関係についてネットで調べようとすると、このようなサイトを発見しました。

 「新しい創傷治療 − 消毒とガーゼの撲滅を目指して」

 今まではケガには消毒とガーゼをいうのが一般的な治療だったけれど、それがいかにケガの治りを損なっているのか、あれは治療ではなくて害しかない、というのが大体の著者の主張です。
 これは最近の医療の流れになりつつあるようです。
 たとえば、ジョンソン&ジョンソンは「バンドエイド、パワーパット」を発売しましたが、これはこの新しい考え方に基づいた新しいタイプのバンドエイドです。
 少しジョンソン&ジョンソンのサイトから引用すると

 「ハイドロコロイド素材は、「キズをピッタリ覆って、キズ口から出てくる体液を保持した方が、キズは早くきれいに治る」というキズケアの新しい考え方(“モイストヒーリング”)を実現する素材として、ポリマー工学の進歩により開発されたもので、これまで医療現場でのみ使用されてきました。キズパワーパッド™は、この素材を全体に使用することにより、“モイストヒーリング”を家庭で実現できるようにする画期的な製品です。」

 今までのガーゼで体液を吸い取るのとは反対のやり方。
 考えてみたら、キズを治すという反応を起こすのに、その媒体となる液体がなければ反応が起こり難いのは当たり前のことだ。

 本当は、もっときちんと書いてからアップするほうがいいのですが、このキズに関する話は早く広めたほうがいいと思うので、半端ですが、一旦ここまででアップします。

 友達のDJと、知り合いのライブがあるので、今から関西日仏学館のパリ祭りに行ってきます。