流線型のオムレツ。

 花粉症のマスクを見ると、ときどきぞっとする。
 風の谷のナウシカとまでは行かないけれど、人間がついに空気を呼吸することからダイレクトに害を受けるようになったというこの事実を、僕たちはもっと重大なものとして受け止める必要があるんじゃないかと思う。

 「花粉症で鼻水でて大変なんだよ」
 「君も花粉症なんだ、へー」

 では済まなくなるときがやがて来るんじゃないかと警戒せざるを得ない。

 アメリカのどこかの地域で、かつて奇形のキツネが見つかったり、キツネの数が減ったりしたことがあって、もちろん人々はそれを気にはとめていたのだけど「キツネ減ってきたね。かわいそうだね」と言うに留まった。
 それから数十年経つと、その地域に存在する湖がひどく汚染されていて人間が暮らす環境ではなくなった。

 僕らは花粉症というものを”花粉のアレルギー”としか捉えていないけれど、これはもっと根源的な部分での致命的問題が一角を覗かせているのだと捕らえたほうが、この先の世界のことを考えるうえでは良いのではないかと思う。

  
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