チップス先生、スポーツカーを買う。

僕の部屋にはカーテンというものがありません。けれども、それでは窓がないのか、というと勿論僕の部屋にだって窓の一つくらいはあります。窓の外には小さいですがベランダだって付いています。カーテンがないというのは語弊があるかもしれません。僕は布でできたカーテンは持っていませんが、紙で作ったカーテンはあります。ただ、これをカーテンと呼んでも良いのかどうか少し怪しいというだけのことです。

 どうして僕が親が聞けば哀れむような紙のカーテンを使っているのかというと、それは倹約のためというよりもむしろ欲しいカーテンが売っていないという事実に起因します。
 僕はもともとあまり布のふわっとした得体の知れない形状の定まらない質感が好きではありません。そういったものが部屋の壁に大きな面積をとっていると軽く圧迫感を感じます。それでできればプラスチックか何かのソリッドな冷たく表面が滑らかなカーテンが欲しいと思っていたのですが、そんなものはなかなか売っていません。

 そこで僕は一計を案じました。
 ボール紙で折りたたみ式カーテンを作ってしまえば良いのではないか、と。
 ボール紙ならば片面はきれいにコーティングが施してあるのでプラスチックに近い質感を得ることができます。それで3年前に巨大なボール紙を買って窓にぴったりな折りたたみカーテンを作りました。
 一年半前にアクリル絵の具で大きな絵を描いて今ではちょっと異様な感じになっていますが、僕は大きな絵を描くのが好きなので(下手なんだけど)これは作業も楽しいし今まで壁に絵を描くことをなんとなくためらっていたのが半分叶った形で一石二鳥でした。
 みなさんもよろしければどうぞ。完全にオリジナルなカーテンがとても安く作れます。
 
 もちろん窓との間に空気の層を作って断熱もするので寒い冬には昼間から役立ちます。真っ暗になるけれど。
 そういえば作っていたお風呂のほうは、電気では沸かすのに異常に時間がかかるのと、あと試験だとか卒論だとかで気乗りがしないので放ったままになっています。冬を乗り切るために作ろうと思っていたのに、冬も終盤に差し掛かってしまった。