Weblog

孤独な現代の若者という幻想

しばらく前に「土間の家(http://d.hatena.ne.jp/doma_house/)」で、座談会「北京と京都の大学生が見た町家」( http://d.hatena.ne.jp/doma_house/20120821/1345542150 )が行われました。 北京と京都における、古い家の空き家問題や使用例についての話だっ…

イメージとしてのアメリカ、オタク文化と敗戦

なにを隠そう、僕はアメリカ文化育ちです。 アメリカの映画とアメリカのテレビドラマとアメリカの小説を、子供の頃たくさん消費しました。 実になんというか、クールじゃないですね。 これはつまり、ハリウッドのドンパチボカーン映画と西海岸の高校生ロック…

動物園はいらない

この春、京都市、梅小路公園に水族館がオープンしました! 僕はまだ行ったことがないのですが、イルカやアザラシがかわいそうなのでさっさと潰れてしまえばいいのになと思っています。どうして海に住む知能の高い哺乳動物を内陸部のビルに監禁して見世物にし…

911

昨日の夜、大宮通を自転車で走っていると、タコ焼き屋の店頭でタコ焼きを買っている友人にばったり会った。彼は、僕も知っているみたいなのだけど、どうにも誰かだ思い出せないアメリカ人と待ち合わせていて、結局そのアメリカ人は来なくて、色々と二人で話…

実は春からこちら、自分で独占して使うことのできる机がありませんでした。約半年間です。それがこんなに辛いとは思わなかった。独占できる机がなくても、なんとか上手くやれるのではないか、と思っていたのは間違いで、先週はもう限界だった。昨夜、暫定的…

花火

残念なことに湖面は全く見えなかったが、それでも空へ勢い良く広がった花火は圧倒的な美しさで迫り、左から右までパノラマに、連発された高輝度の造形と、少しく遅れて胸腔へ響く爆発音が、四角く囲まれた日常にそこだけ穴を開けている。 空を見上げて、救わ…

天橋立/大江山/酒天童子/元伊勢

半島の様に突き出した低い山が、微かに曇った空の前で緩やかなスロープを作っている。何一つ転げ落とすつもりのない平和な斜面には、幾分古くなってきたリゾート旅館がすくりと立っていて、側でゆっくりと回転する小さな観覧車と麓の間を、これもまったく目…

日蝕

2012年5月21日の金環日食を見るつもりはなかった。僕は科学が好きだと公言して生きてきた割に、天体ショーにはあまり興味が無い。数カ月前にも心改めて月食を見てみたけれど、ふーん、としか思わなかった。ただ、ある星の前を別の星が横切っているだ…

color tv

あるテレビについての話をしようと思う。あるいは彼女が僕の部屋から盗んでいったカラーテレビ、についての話ということもできるかもしれない。実は僕はそのカラーテレビを今も探している。もうそんなテレビは役に立たない、という人もいる。それは古いブラ…

FBI

「FBI!」と男は叫んで、小走りに、何か手帳のようなものを掲げた。レストランの店員は戸惑ってカクンと一つお辞儀をして、男を走るに任せた。そんなわけがないと思い、僕は男の足を引っ掛けて転ばしてやった。男は素早く立ち上がると「オレはFBIだぞ、何を…

宇宙人にさらわれた記憶を消された私はさらわれることを恐れる必要があったのか?

僕が最初に「記憶」を「結構なんだか謎なものだ」と思うようになったのがいつからかは、結構はっきりしています。 小学生の時に、テレビでUFOの特番を見た時からです。 ええ「矢追純一スペシャル」とか「緊急特番!エリア55で宇宙人の解剖が行われていた!…

円と長方形(円面積の直感的証明)

昨日、ツイッターで「円の面積を求める公式を忘れた」という感じの記述を見かけました。そして、なんともお恥ずかしいことに、はじめて「どうして円の面積はπr^2(円周率×半径rの二乗。「^」という記号で何乗を表しています。)で求まるのだろう?」と疑問…

やる気という企業化社会の信仰

前回のブログが、酔っ払って随分と違うものになってしまったので、今回はもともと書くつもりだったことを書きます。 随分穿ったことなので、こちらもどうせ変かもしれません。 もともと書こうと思っていたのは、「やる気」というものが、僕達のネイチャーか…

限りなく装われた無知

年が明けた。2011年が終わり、2012年が始まった。それでも全く新年を迎えた気持ちにならないのは、僕のごくごく個人的な理由故なのか、30日に餅つきをして雑煮を食べてしまったせいなのか。あるいは、2011年が特別に破壊的な1年だった所為だ…

light amplification of stimulated emission of radiation; part1

They had their hands up, trying to touch LASER beams passing above their heads.The LASER colored green was so vivid in the smoky air. The LASER was just a little bit too high to grab.It was shiny, and too high to touch. Do you call this sa…

u+n;part3

国立民族学博物館の中で、世界中から収集された資料を見ていると、ときどき息苦しい気分になる。自分の今いる場所が、博物館の巨大さにも関わらず実に狭苦しく見えるからだ。ここは知的な意味合いでは世界に開かれている。でも、物理的には世界から数層の入…

打ち捨てられた古いホテルの中で眠ったこと

温泉街をフラフラと笑いながら歩く人達を見上げている。夏の夕方6時はまだまだ明るくて暑くて、でも川の畔でゴロゴロとしているのは快適だった。如何にも観光地らしく、完全に舗装整備されたこの小さな川は、温泉街を道路から数メートル低くなった形で流れ…

u+n;part2

先日、福井県まで海水浴に行ったとき、やっぱり海辺の田舎町はいいなと思った。こういう所で一週間くらいのんびりしたいね、という話をみんなでして、そして「うっかり住みたいと思ってしまうけれど、でも住んだら困るだろう」という結論に達した。 何が困る…

u+n;part1

森の中にたくさんのテントが並んでいる。テントには明かりが灯っていて、誰かの話し声が聞こえてくる。向こうの方で、彼らは火を囲んでいる。どこからかチャンダンのお香を焚く香りが漂ってくる。川に足を浸したカップルがビールを飲んでいて、その後ろを歯…

広告という時代

亡くなる少し前に、僕は中島らもさんに握手してもらったことがある。らもさんはフラフラで付き添いの人に支えてもらっていて、握手はフニャフニャで手はガサガサだった。僕は、お互いに顔だけ知っていて、この日「あっ、あそこでよく会う人だよね」と初めて…

水島/敦賀

2011年7月24日日曜日 久しぶりに早起きをした。真夏とはいえ、朝の5時30分はまだ涼しい。開け放った窓の外から鳥達の声が聞こえている。町はまだ静かだ。冷蔵庫からプラムを出して、3つ齧る。それからCHUMSのドラムバックに海水浴の道具を詰め込…

ハワイ/島と骨

1881年、ハワイ王国国王カラカウアは日本にやって来てハワイ−日本の連邦化を申し出た。そこでは日本主導によるアジア圏共同体の立ち上げも提案されている。ヨーロッパ列強とアメリカが植民地支配をどんどんと拡張することに対する防衛策だった。 日本は…

paint it blue

屋根にサーフボードを積んだ青い車が、僕の隣を追い越して行く。 街中を真っ青に染めてやろうと思った。 暑くて暑くて、でも高い高い夏の太陽と青い青い空と真っ白く湧き上がった雲は美しくて、樹々は深く涼を落とし。悪い気はしない大好きなんだ常夏の楽園…

誰もいない山の中で蛍を見たこと

トイレへ行きたくなったので、テント入り口付近に置いたスケートボードの上からスニーカーを取る。網戸のチャックを開け、それから更に外側を覆うナイロンのチャックを開ける。外にはまだ微かな微かな太陽の光があった。河原の石がぼんやりと蒼く見える。外…

もんじゅ

S&W M10の固く短い銃身を私は口蓋に突っ込んで両手の親指を引き金に掛けた6発装填のリボルバーには一つだけ弾が入っているこういうのは昔の映画やドラマで良く見たしロシアンルーレットという名前のゲームだということも知っているでも自分がいつかこういう…

body!

一昨日、僕は"nuke isn't, but we are under control"という2ヶ月前に書いたものをブログに載せました。3.11以降、僕は3ヶ月近く何も書かなかったのですが、「京都、大丈夫?」というメールを海外からいくつか貰ったので、その返信のついでにこれを書…

nuke isn't, but we are under control.

"I wrote this article on 24 Apr.2011. Mainly for my foreign friends.That's almost 2 months ago." _____________________________ My hometown, Kyoto, is far away from the Fukushima and Tohoku regions. There is almost no visible effect from th…

6.11デモに行ったこと

四条大橋を差し掛かると、報道だか観光だかのカメラが増える。一晩降り続いた雨は午前中に上がり、深い雨を降らせた灰色の雲の名残がまだ微かに空を覆っている。昨日、雨が降り始めたとき、まるっきり妨げのようにしか見えなかった天候は、蓋を開けてみると…

雨の神戸とバルセロナスピーチ

シンポジウム会場を出ると、雨が降っていた。今日、雨って天気予報言ってたよ、と友人は立派な傘を持っている。最初のうちはスケートボードを頭の上に掲げてなんとか誤魔化せた雨も、午後が遅くなるにつれ勢いを増し、高架下でラーメンを食べ終える頃には傘…

awe

僕は数年前の一時期ベジタリアンでした。 元々そんなに肉を食べる方ではなかったけれど、その数ヶ月くらいの間は已むを得ない場合以外、いっさい肉は口にしなかった。理由はいくつかありましたが、一番の大きな理由は殺される動物達の映像を見たことではない…

94.

夜中の丸太町通りを走る車は少ない。夕方に雷を伴い強く降った雨が、地面と御苑の木々にたっぷりとした水分を与えていた。真夜中の木々は光合成を中止して、僕達と同じように呼吸し、水と二酸化炭素を吐き出している。100%に飽和した湿度と、まばらな街…

時間なんて流れていないという論理

「もしもタイムマシンが作れたとして、あなたが過去へ行き自分の親を殺したらどうなるのか。 親がいないならあなたは生まれない、 あなたが生まれないならあなたは過去へ行かないから親も殺されないし、 やっぱりあなたは生まれる、 あなたが生まれたなら過…

偶然と必然

偶然、って一体どういうことでしょうか? たとえば、ここにAさんとBさんがいるとします。 AさんとBさんが、「えっと、明日の8時に京都駅で待ち合わせでいい?」「うん、いいよー。じゃあ明日ねー、バイバイ」というような約束をしていた場合、翌日8時にAさ…

ブッダ、フロイトを説き伏せるの巻

僕は子供の頃から結構”仏教”が好きでした。 禅で武装して宗教の勧誘の人を煙に巻く、みたいなことを楽しみにする嫌な子供でした。 仏像を拝んだりお経を上げるのではなく、原始的な仏教、ゴータマ・シッダルタの言った事がとても好きで、なんかこの人はカッ…

技術が認識を書き換えるということ

PCの中を整理していたら2003年に書いたものが出てきたので載せます。 ________________________________ 録音された自分の声が自分の思っていた声と異なっている、というのは 良く知られた事実だ。 それは普段、自分の…

青い光の中で「美しさ」を発見したこと

その頃、僕はまだ名古屋に住んでいて幼稚園に通っていたと思う。朝方にふと目が覚めると、部屋の中は静かで深い、しかし新鮮で軽快な瑠璃色だった。 あまりにきれいなので、僕はびっくりして、どうしたら良いのか分からなかった。 当時、家族4人で一つの部…

ネズミと太陽と雪

ネズミがこっちを見上げていた。 スーパーマーケットへ行こうと、アパートの一階の廊下を歩いていると、どこからかキュルキュルと小さな音が聞こえた。最初、機械か何かの音だろうと思ったけれど、どうやらそこには生き物の気配があり、辺りをよくよく探して…

ノルウェイの森とフロイトの悪魔

年末に映画「ノルウェイの森」を見た。 村上春樹さんの書いた原作、「ノルウェイの森」は1987年に日本で発売されてベストセラーになった作品だ。 僕が読んだのは多分7,8年前で、どういう話だったのかぼんやりとしか覚えていない。 村上隆さんは映画版…

カンブリア宮殿を見て思ったこと

カンブリア宮殿という村上龍のテレビ番組がある。村上龍と小池栄子がホストになって、成功している企業の経営者や政治家なんかを招き話を聞くというスタイルの番組で、僕は存在だけ知っていたけれど一度も見たことがなかった。 これまでその番組を一度も見な…

個性という嘘、支配と被服の選択について

『 若いときっていうのは、大人の着ているものを”崩す””バランスを変える””わざとだらしなくする”ことから、服を着はじめます。学生時代まではそういうふうに反抗していて、そして就職となると常識の中に入る。 でも、そうでしょうか。 一着の服を選ぶという…

公的な青少年の支援という枠組み

青少年の活動を支援する、というような目的で存在している、ある公共施設で働く友人からメールが届いた。 そこには、大学生の青年が施設にやって来て署名を集めていたら「政治活動と宗教活動はここではできない」と言われてやめさせられたのだが、一生懸命な…

宗田理、映画とシナリオ、映像と文章

そうか、そういうことだったのか。 彼は映画監督になりたかったのか。 「私は、終戦後間もなくアメリカ映画を見たときのことを思い出した。当時田舎にいた私は、その映画を一本観ただけで映画の素晴らしさに感動し、将来は映画監督になりたいと決心した。 私…

裸で眠ることが被服の分断した身体を統合することについて

もうずいぶんと寒くなってきましたが、僕は眠るとき、あいかわらず素っ裸です。 子供の時はパンツもはいてパジャマも着て寝ていましたが、大人になってから裸度が増していき、いつの間にか素っ裸で眠るようになっていました。ときどき服やパンツを履いたまま…

石上純也という建築家について、あるいは自由について

「えっ!これはモデルで実は上から吊っている、とかではなくて、本当の本当に立っているんですか?」 「はい、そうです。本当に立ってます。吊ったりとかしてないですよ」 僕達はあっけに取られて、地面から垂直に立てられた細い細い、真っ白な棒を眺めてい…

学祭で大声で売る人が苦手な理由

「学祭の模擬店で大声で品物を売る人が嫌いだ」というようなことをツイッターに書いたところ、「どうして自分の店に客を呼ぶために大声を出している人が嫌いなのか?」という質問を頂きました。ツイッター上では140文字の制約があって、そこで「嫌い」と…

本の紹介:橋本治「これで古典がよくわかる」

最近、橋本治さんの「これで古典がよくわかる」を再読しました。この本には別に有名古典作品の解説が書かれているわけではなく、文字のなかった日本に漢字が入って来て、そして和漢混交文ができるまでの過程、古典だって生身の人間が書いたのだ、ということ…

タイムトラベルとは大げさだけど

真空には本当になんにもないわけではなくて、真空中では常に粒子と反粒子が生成し対消滅している。生成してから消滅するまでの時間が非常に短く、それが至る所で常に起こっているので、僕たちのスケールで見ると均されて何もないように見える。本当は細かな…

放棄されがちな自己決定権の決定権

「自分で何でも決めていい」というのは嬉しいことの筈なのに、実際のところ「自分で何でも決めていい」は恐れられ遠ざけられている。そして人は自分の外部に答えを求める。 たとえば、幸福かどうかというのは、本来は自分で決めて良いことだと思うけれど、「…

昔の人、今の人、未来の人

雨の降る夜に、20世紀のことなんて振り返ったりしている。 僕は子供の頃、古い映画や物語がとても嫌いだった。嫌いというか、怖いというか、もどかしいというか。 それは、その物語の世界に、僕達が現代持っているようなテクノロジーがなかったからだ。電…

トリックスター、憂鬱を吹き飛ばす。

言葉で何か繊細なことを伝えるのは難しい。本当のところ、「私」というものは、あるいは「私」の思考というものは、言葉を通じても伝えることができないし、他のどんな手段を用いても伝えることはできないのかもしれない。 それは丁度、頭の良い、言葉を覚え…